ASUSの「ROG Ally」は良コスパで他のポータブルゲーミングPCとはひと味違うドッキング機能を備えた1台だった(5/5 ページ)

» 2023年06月24日 08時00分 公開
[でこい,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

サイバーパンク2077

 ROG Allyでもっとヘビーなゲームは楽しめるのだろうか。その辺を検証すべく、超重量級のAAAタイトル「サイバーパンク2077」のゲーム内蔵ベンチマークモードでフレームレートを計測してみよう。

 今回はバッテリー駆動/AC駆動/XG Mobile GC32L接続時の3パターンで、フルHD解像度のフルスクリーン表示におけるプリセット画質「中」「高」「ウルトラ(最高)」を試している。平均フレームレートは以下の通りとなった。

  • 中
    • 単体(バッテリー駆動):37.26fps
    • 単体(AC駆動):39.79fps
    • XG Mobile接続時:115.81fps
  • 高
    • 単体(バッテリー駆動):29.08fps
    • 単体(AC駆動):31.58fps
    • XG Mobile接続時:182.34fps
  • ウルトラ
    • 単体(バッテリー駆動):25.15fps
    • 単体(AC駆動):26.78fps
    • XG Mobile接続時:95.85fps

 パッと見だと「お、これはプリセット『中』なら単体でも何とかなるか?」と思うかもしれない。しかし、これはあくまでも“平均の”フレームレートなので、場面によっては中設定でも描画がカク付くこともある。快適なプレイをするには、平均でも60fpsは超えることが望ましい。

 その点、このゲームでは描画解像度をHDに下げると、バッテリー駆動時の中設定における平均fpsが61.91fpsまで改善する。この場合、最高フレームレートは102.6fps、最低フレームレートは12.47fpsとなるが、最低フレームレートとなるシーンはごくわずかで、十分にプレイ可能だ。

 なお、Ryzen Z1 Extremeの内蔵GPUはRSRによる超解像にも対応しており、サイバーパンク2077でもその恩恵にあずかれる。ディスプレイが7型と小さいのも相まって、解像度を下げても画質の劣化をあまり感じない。

 重量級タイトルをプレイする際はRSRの適用(と描画解像度の調整)を検討するとよいだろう(ただし、RSRを使うとどうしてもテキストのにじみが発生してしまう)。

サイバーパンク2077 サイバーパンク2077のフレームレート

Microsoft Flight Simulator

 せっかくなのでもう1つ、重量級タイトルである「Microsoft Flight Simulator」における平均フレームレートも計測してみよう。

 今回はディスカバリーフライトから「ニューヨーク」を選択し、2分間のAI操縦を行った際の平均フレームレートを「CapFrameX」を使ってチェックする。描画解像度はフルHDとし、グローバルレンダリング品質を「ローエンド」「ミドル」「ハイエンド」「ウルトラ」の4パターンでレートを測ることにする。レンダリングスケールなどはデフォルトのままで、垂直同期は「オフ」にしている。

 ここまでの結果から、Turboモードではバッテリー駆動時とAC駆動時で大きな差は生じないと判断し、このテストではTurboモードのAC駆動時とXG Mobile GC32L接続時のみ掲載する。結果は以下の通りだ。

  • ローエンド
    • 単体(AC駆動):37.5fps
    • XG Mobile接続時:74.9fps
  • ミドル
    • 単体(AC駆動):25.2fps
    • XG Mobile接続時:67.3fps
  • ハイエンド
    • 単体(AC駆動):21fps
    • XG Mobile接続時:50.9fps
  • ウルトラ
    • 単体(AC駆動):13.2fps
    • XG Mobile接続時:36fps

 サイバーパンク2077のような動きの激しいタイトルとは異なり、Microsoft Flight Simulatorでは好み次第だが平均30fpsを確保できれば快適にプレイできる。しかし、Allyは単体でもミドル設定でも平均30fpsを大きく割り込んでしまっている。単体で快適に遊ぶには、品質をローエンドにしておくといいだろう。

 なお、ROG XG Mobileを接続すると、ウルトラ品質でも平均フレームレートが30fpsを超える。さすがは外付けGPUである。

Microsoft Flight Simulator Microsoft Flight Simulatorのフレームレート

価格以上のポテンシャル SSD容量とバッテリー駆動時間が課題か

 ROG Allyは、Ryzen Z1 Extremeを搭載し、競合製品を上回る性能を備えている。どこにでも持ち運べる軽さを実現しながらも、最大120Hz表示も可能なタッチ対応ディスプレイを備え、設定次第で快適なゲーム体験を得られる。これで実売11万円弱(直販では10万9800円)となると、“お買い得”もいいところである。

 ただし、細かい所まで見ていくと、ストレージの容量が512GBとやや少なめであることと、“本気”を出すとバッテリーがあっという間に上がってしまうという課題もある。

 ストレージの容量については、microSDを使うことである程度増やせる。本体のmicroSDメモリーカードスロットは最大毎秒約312MBの読み書きに対応するUHS-II規格に準拠しているので、同規格のmicroSDを用意すればゲーム用ストレージとして十分に運用可能だ。しかし、肝心のUHS-II対応microSDはやや高価という課題もある。

 幸い本体のバックパネルは取り外しやすい構造なので、内蔵SSD(Type 2230)を換装するという手もある。ただし、日本ではSSDを換装すると本体のメーカー保証が無効となってしまう。せめて、ストレージの換装サービスがあるとうれしいのだが……。

microSD ASUSが内蔵SSD(PCI Express 4.0 x4接続)とmicroSDのゲーム読み込み時間を比較した結果。UHS-II対応microSDを使えばSSDと大差ない環境を作ることが可能だ

 バッテリー駆動時間については、メーカー公称値で「ヘビーゲームで最大2時間、動画視聴で最長6.8時間」とされている。ただし、Turboモードにすると、タイトルによっては1時間程度でバッテリーが切れてしまう。外でのゲームを思いきり楽しみたいという人は、65W出力に対応するUSB PD準拠のACアダプターかモバイルバッテリーを“常備”した方がいい。

 もっとも、ポータブルゲーミングPCにおけるバッテリー駆動時間は、ROG Allyに限らず大きな課題の1つに挙げられる。バッテリー駆動時間を重視する場合は、オペレーティングモードをTurboから変更した上で、ゲームの設定も負荷の掛からないものとすべきだ。

バッテリー駆動時間 ゲームを本気でプレイしようとすると、バッテリー駆動時間はどうしても短くなってしまう。使い方にもよるが、外出時はACアダプターかモバイルバッテリーを一緒に持ち歩くのが無難だろう

 細かく見ると課題があるものの、ROG Allyは今までのポータブルゲーミングPCと比べるといろいろな意味で快適であることは間違いない。

 Nintendo Switchのように「家でも外でも同じゲームを楽しみたい!」というニーズには十分に応えられている上、繰り返しだが性能の割に手頃な価格である。「ゲーミングPCってどんなもの?」と二の足を踏んでいる人向けの入門機としてもピッタリだ。

 別売だがROG XG Mobileと接続すれば、重量級のゲームタイトルを快適に楽しめる。PCゲーミングの玄人も満足させるポテンシャルも備えているともいえる。

 ROG Allyの上位モデルは思った以上の“オールラウンダー”なのかもしれない。

Ally ROG Allyはいろいろな人に“アリー”な選択肢かもしれない(Allyは「エイライ」と読むそうですが)
前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  2. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  10. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー