この他に、気になった点をいくつかまとめておく。
本製品が電源をシガーソケットから得ている場合、車種によってはエンジンを切った直後に給電がストップするので動作しなくなる。再度エンジンをかけると起動するが、スマホとの再接続が完了するまでにいくらか待たされることになる。
今回試した環境では、エンジンの始動から本製品が再接続されるまで約10秒程度だった。これを速いと見るか遅いと見るかは微妙なところだが(Bluetoothで接続していることを考えるとむしろ速い部類だろう)、一刻も早く使いたい場合はストレスに感じるかもしれない。
どちらかというと気になるのは、何回か同様の操作しているうちに、接続がうまく行われず、再起動しなくてはいけないケースがあったことだ。今回は短期レビューゆえ長期間使い続けた場合の発生頻度までは分からないが、あまりに頻度が高いようだと困りものだ。
最後になるが、本製品はレンタカーやカーシェアでの一時利用には使えるだろうか。結論から言えば「問題なく使える」というのが筆者の答えだ。本製品がスマホのAlexaアプリから認識された状態にあれば、車に持ち込んで電源を入れ、車載スピーカーとつなぎさえすれば、すぐに利用できる。
なおレンタカーやカーシェアの場合、本製品のマイクモジュールを両面テープで取り付けるわけにいかないので、オプションで販売されている、エアコンの送風口に取り付けるためのエアベントマウントを使うとよい。これなら物理的な抜き差しだけで済むので、一時的に取り付けるのは最適だ。
筆者はかつて第1世代のEcho Autoを使っていたのだが、車内で場所を取ること、また再接続の時間がかかりすぎることに耐えかねて、数カ月程度で利用しなくなってしまった。2世代目である本製品はこれらの欠点が着実に改良されており、そこは大いに評価できる。長期的に使い続けた場合にどうなるかは現時点では分からないが、ストレスは確実に減っている。
ただし従来モデルに比べて、できること自体が大きく変わったわけではないため、そもそも車の中でAlexaを使う必要があるのかという根本的な問題に立ち返った時に、ユーザーの判断が分かれるのはごく自然だ。ハンズフリーで入力でき、また音声を車載スピーカーから出力できることに本当にメリットがあるのかも、使ってみなくては分からない部分も多いだろう。
実売価格は税込み7980円とやや高価なのも、評価が分かれるところだ。筆者の感覚的には、こうしたアクセサリーに支払えるのはせいぜい5千円が限界で、車載アダプターはスマホなどもつなげる利点はあるとはいえ、もう少し安くてもいいと感じる。本製品を試してみたい人は、セールなどをうまく活用して安価に入手するのが、1つのポイントということになりそうだ。
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