Androidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」は6万円弱でSペン付き コスパ良好だが悩ましい点も(2/2 ページ)

» 2023年07月13日 12時30分 公開
[山本竜也ITmedia]
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プロセッサ的にはローミドルクラス 使い方によっては「力不足」かも

 Galaxy Tab S6 Liteは、SoC(プロセッサ)としてQualcommの「Snapdragon 720G」を搭載している。2020年1月にリリースされたミドルレンジスマホ/タブレット向けのSoCで、CPUコアは2基のパフォーマンスコア(Cortex-A76/最大2.3GHz)と6基の高効率コア(Cortex-A55/最大1.8GHz)という構成で、GPUコアはQualcomm独自の「Adreno 618」を備えている。

 メモリは4GB、ストレージは64GBと価格なりの仕様ではある。ただし、microSDメモリーカードスロットを備えているので、ストレージ容量が足りない場合は増設可能だ。

CPU-Z Android版の「CPU-Z」でSnapdragon 720Gの情報をチェックする

 「約3年前のSoCで大丈夫なの?」という意見もあると思うので、軽くではあるがベンチマークテストをしてみよう。

 まずクロスプラットフォームのベンチマークテストアプリ「Geekbench 6」でCPUのパフォーマンスを確かめてみたところ、シングルコアスコアが「741ポイント」、マルチコアスコアが「1776ポイント」となった。Snapdragon 720Gを搭載するスマホ/タブレットとしては標準的な値である。Webブラウジングや動画視聴には全く支障はない。

結果 Geekbench 6の結果。Snapdragon 720Gを搭載するスマホ/タブレットとしては標準的な値である

 次に、Androidスマホ/タブレット向けベンチマークテストアプリ「3DMark Wild Life」で3Dグラフィックスのパフォーマンスを試してみた。スコアは「1055ポイント」である。

 このスコアはどう見るべきなのだろうか。ちょうど手元に「Snapdragon 695 5G」を備えるOPPO(オウガ・ジャパン)製スマホ「OPPO Reno9 A」があったので同じテストを実施した所、スコアは「1205ポイント」と本機を上回った。

 Snapdragon 695 5Gは、GPUコアとしてAdreno 618のクロックアップ版である「Adreno 619」を搭載している。クロックアップした分だけ、スコアの改善につながったのだろう。

 ただ、どちらのSoCも3Dグラフィックスを多用するゲームを楽しむには厳しい状況にあることは間違いない。「スマホより大きな画面でAndroid向けゲームを楽しみたい」という場合は、素直に上位機種であるGalaxy Tab S8+/S8 Ultraの購入を検討した方がいいだろう。

スコア 3DMark Wild Lifeのスコア

 最後にバッテリーの駆動時間もチェックしてみよう。

 公称では「ビデオ再生で最大15時間」持つということになっている。画面輝度50%、音声ミュートの状態でYouTubeの動画を連続再生してみた所、12時間44分でバッテリー切れとなった。

 Wi-Fi通信しながらこれだけ持つのなら、1日持ち歩いても十分に活用できそうだ。

意外と多いライバル Sペンに魅力を感じるならアリ

 Galaxy Tab S6 Liteは「ハイエンドモデルでは手が届かない」という声に応えて登場したAndroidタブレットだ。確かにGalaxy Tab S8+/S8 Ultraと比べれば手頃で、書き(描き)味の良好なSペンが付属することもあり、コストパフォーマンスは比較的良好といえるだろう。

 ただ、あと約2万円プラスすれば、ゲームもそこそこ動くGoogleの「Pixel Tablet」が手に入る。こちらはスタイラスペンは別売ではあるものの、スピーカードッグが付属する。ペンが使えることに重きを置くなら、Amazonの「Fire Max 11」ならペンとのセット購入で3万8960円から手に入る。ペンに固執しないなら、Xiaomiの「Redmi Pad」やOPPOの「OPPO Pad Air」も選択肢に入る。

 何を言いたいかというと、Galaxy Tab S6 Liteには想像以上にライバルが多いということだ。率直にいえば、購入検討時に相当“迷う”かもしれない。

 それでも、「バッテリー不要なSペンが使えること」「PCライクに使えるDeXに対応していること」に魅力を感じるなら本機をお勧めしたい。また、UIの統一性や同期の観点から、既にGalaxyスマホを使っているユーザーにも良い選択肢となるはずだ。

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