Androidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」は6万円弱でSペン付き コスパ良好だが悩ましい点も(1/2 ページ)

» 2023年07月13日 12時30分 公開
[山本竜也ITmedia]
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 サムスン電子ジャパンが6月23日、10.4型Androidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」を発売した。公式ストアでの販売価格(税込み、以下同)は、専用のスタイラスペン「Sペン」込みで5万6798円と比較的手頃である。

 Galaxy Tab S6 Liteがどのような人にお勧めなのか――実際に使ってみた上で検討していこうと思う。

Galaxy Tab S6 Lite Galaxy Tab S6 Liteは、Sペン付属で約5.7万円という価格設定である

スペックアップされた「お手頃タブレット」

 日本におけるGalaxy Tabシリーズといえば、ほぼ1年前にハイエンドの「Galaxy Tab S8 Ultra」や「Galaxy Tab S8+」が登場した。フラグシップモデルということもあり、公式ストアでの販売価格はS8 Ultraが18万8799円、S8+でも12万4800円とAndroidタブレットとしては高価である。

 とはいえ、両モデルはAndroidタブレットとしては“珍しい”ハイスペックモデルでもある。「ハイスペックなタブレットは欲しいけれど、『iPad Pro』はちょっと……」というニーズをつかみ、販売面では一定の成功をつかんだようだ。

 一方で、サムスン電子はS8+/S8 Ultraについて「価格的に手が届かない(高すぎる)」「もうちょっとコンパクトなモデルが欲しい」というニーズがあることも把握していた。これらの声に応えるモデルが、Galaxy Tab S6 Liteなのだという。

 ちなみに、Galaxy Tab S6 Lite自体は初代モデルが2020年に海外で発売されている。今回日本に投入されるモデルは、SoC(プロセッサ)などのスペックを引き上げた2代目(2022年モデル)だ。

Galaxy Tab S6 Liteの特徴 Galaxy Tab S6 Liteは、先行リリースしたハイエンドモデルでは獲得できなかったユーザーニーズに応えるべく登場した

 10.4型のディスプレイはTFT液晶で、解像度は1200×2000ピクセルとなっている。GalaxyといえばAMOLED(有機ELディスプレイ)というイメージが強いかもしれないが、エントリー〜ミドルクラスでは液晶を採用するケースもある。色味に不自然な点はなく、動画の視聴も問題なく行える。

 10〜11型クラスのタブレットは、インカメラを長辺側に搭載して「横向き」での利用をメインに据えるモデルが多い。それに対して、本モデルのインカメラは短辺側にあり、「縦向き」を想定したデザインとなっている。もちろん、画面表示は回転できるので、動画を楽しむ際は横向きにすればいい。

 なお、インカメラは約500万画素の固定フォーカスという仕様だ。

インカメラ 10型超のタブレットは長辺側にインカメラを配置することが多いが、Galaxy Tab S6 Liteは短辺側にカメラを配置している

 アウトカメラは約800万画素のシングル構成で、オートフォーカス(AF)にも対応している。タブレットのカメラに過度な期待をしている人は少ないと思うが、Google レンズや二次元コードの読み取りなど、あると便利な場面は多いだろう。

 なお、このアウトカメラにはLEDライトを備えていない。暗所での撮影時に明かりが必要な場合は、自身では賄えないので注意しよう。

背面 アウトカメラは背面の左上に配置されている。背面のロゴの向きからも、Galaxy Tab S6 Liteは縦向きでの利用を想定していることが分かる

スピーカーはAKG監修でDolby Atmos対応

 スピーカーはステレオ(2基)構成で、AKGの監修を受けたものとなる。音の再生は横向き利用を想定しているようで、スピーカーは本体の上下に配置されている。Dolby Atmos規格のサラウンド再生にも対応しているので、このサイズのタブレットとしては十分な音質を楽しめる。

 本体上部には3.5mmのイヤフォン/マイクコンボ端子を、下部には充電端子を兼ねるUSB 2.0 Type-Cポートを備える。USB 2.0 Type-CポートはUSB機器の接続に対応する一方で、映像出力には対応していない。映像を外部出力したい場合は、Wi-Fi経由(Miracast/Chromecast)で行える。

スピーカー スピーカーは短辺側に配置されている。横向きで持ったときに上側にズレた位置にあるので、手でスピーカーをふさぐことはあまりないだろう

Sペンは充電不要 使い勝手も良好

 先述の通り、Galaxy Tab S6 LiteにはSペンが付属する。上位モデル向けとは異なり、Bluetoothによる通信機能はなく、充電も不要だ(≒本体側の給電で稼働する)。

 本体にペンを収納するスペースはないが、本体の長編側の側面に磁力で貼り付けることはできる。ただし、貼り付けられる位置と向きが限定的なのが気になった。

 なお、純正オプションの「Galaxy Tab S6 Lite Book Cover」(直販価格9240円)には、Sペンの収納スペースもある。本体とSペンを合わせて頻繁に持ち運ぶなら、こうしたケースを使うのが無難そうだ。

付属のSペンは、本体右側面の下方にくっつく。写真のようにペン先を上に向けるとしっかり貼り付くのだが、逆にペン先を下に向けると磁力が弱いのかすぐに外れてしまうことが気になった
純正カバー 純正オプションの「Galaxy Tab S6 Lite Book Cover」には、Sペンホルダーが用意されている。Sペンと一緒に持ち運ぶ機会が多いなら、一緒に購入すると利便性が増す

 Sペンの使い勝手自体は良好だ。Sペンを画面に近づけると、画面端にアイコンが表示される。それをタップすると、「Samsung Notes」を使ったノート(メモ)の新規作成など、Sペンに関する操作メニューが表示される。このあたりの使い勝手は、Sペン対応Galaxyスマートフォン/タブレットと変わりない。

 プリインストールされているSamsung Notesアプリは、その名の通りノートを取るためのアプリで、ほぼ全てのGalaxyスマートフォン/タブレットにプリインストールされている。特にGalaxy S22 Ultra/S23 Ultraを含むGalaxy Noteシリーズや、Galaxy Z FoldシリーズといったSペン対応スマホを使っている人にはなじみが深いものだろう。

 Sペンに対応するGalaxy Tab S6 Liteでも、Notesアプリのメリットは十分に生かせる。手書き文字のテキスト化は日本語にも対応しているので、自分の書いた文字をテキストデータとして活用することも可能だ。

 ペンの追従性は悪くなく、絵心があればちょっとしたイラスト描きにも活用できそうである。

書き味良好 Sペンの書き味は悪くなく、絵心があれば簡単なお絵描きにも十分使えそうである
Notes Samsung Notesアプリは、旧Galaxy NoteシリーズやGalaxy S22 Ultra/S23 Ultraと同じような使い勝手を実現できている。日本語の手書き文字のテキスト化も可能だ

PCライクに使える「Samsung DeX」は単体で利用可能

 Galaxyといえば「Samsung DeX(デックス)」という機能を思い出す人もいるだろう。DeXはPCライクなUI(ユーザーインタフェース)でスマホ/タブレットを操作できるという機能で、現行モデルではスマホのハイエンドモデル(Galaxy Z Flipを除く)なら画面の外部出力で、タブレットなら単体で利用可能だ。

 Galaxy Tab S6 Liteもご多分に漏れず、DeXを本体のみで使える。クイックパネルにある「DeXボタン」をタップするだけで、DeXモードと通常(タブレット)モードを行き来できる。純正オプションにキーボードはないが、別途USBまたはBluetooth接続のキーボード/マウスをつなげば、よりPCライクに利用できる。もちろん、DeXモードでもSペンは使える。

 PCのようにウィンドウ(アプリ)を並べて使いたいという人は、DeXを試してみてほしい。

DeX Galaxy Tab S6 Liteは、本体単体でのSamsung DeXに対応している。AndroidタブレットをPCライクに使いたい人は、ぜひ試してみてほしい

 先述の通り、本機はDisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応していない。もしも本機を外出先でのプレゼンテーションツールとして購入しようと検討している場合は、別途MiracstまたはChromecast(Google Cast)に対応する投影デバイスを一緒に持ち歩く必要がある。

 価格や本体仕様を考えると、DisplayPort Alternate Modeの非対応は仕方がないのかもしれないが、やや残念なポイントといえる。

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