「Androidタブレットといえば」が続いて恐縮ですが、Androidタブレットといえば、最適化されたアプリが少ないことも大きな弱点ですね。Pixel Tabletも横持ちが基本のデバイスなので心配になりましたが、スマホにしか最適化されていないアプリは縦長に表示することで使いやすさを保っています。
画面を有効活用したいなら画面分割でも使いやすいですし、大きく見たいなら縦持ちすればいいのですが、いずれにせよ「ひと手間」になってしまうのは残念です。
タブレットでスマホレイアウトのアプリを使うのはベストからは程遠いのは間違いなく、長らくこの課題も解決していませんが、近年は多くのメーカーが出来の良いタブレットを作っており、Googleも本機と「Pixel Fold」でタブレットへのやる気を示しました。少しずつでもいいので、快適に使えるアプリが増えてくれるのを祈りたいところですね。
また、細かいですが、他にも好感を持てる仕様もありました。マルチユーザーに対応していることと、指紋センサーに触れるだけで認証できる(iPad Airのようなボタンの押し込みが必要ない)ことです。
さて、充電スピーカーホルダーを見ていきましょう。実は、タブレットをこうやって充電+待機させておくとすこぶる快適なのは、以前から知っていました。iPad AirとMagic Keyboardの組み合わせです。
Magic Keyboardもポゴピン式の充電端子を備えていて、iPadを使っていない間は充電しながら待機し、装着したまま動画や音楽を流したり、見やすい角度で何かを表示しながらPC作業を進めたりできます。そしてタブレットとして使いたくなったらポンと手に取るだけ。
これが冒頭に書いたタブレットの弱点3カ条の解決になるわけです。そしてGoogle Tabletには、解決をより決定的にするもう1つの機能があります。
Pixel Tabletはホルダーに乗せている間は、スマートディスプレイとして機能しています。「Google Nest Hub」と同じ感じですね。常時表示に時刻や天気を表示したり、スマホやPCから動画をキャストしたり、画面からスマートホームデバイスを操作したりもできます。
自分が持っているGoogle Nest Hubは画面サイズが7型と不足気味で、トークが主体の作品ならともかく、映像を楽しみたい作品を見る気にはなれませんが、11型の本機ならばある程度快適に見られます。音質も、iPad Proのようなハイエンドデバイスほどクリアではないとはいえ、低音の自然な豊かさや迫力は勝っていて、気軽に音楽や映像を楽しんだり作業のバックグラウンドに流すスタイルとしてはなかなか良いです。
また、基本的に充電されっぱなしになるデバイスですが、満充電で長い時間を過ごすとバッテリーの劣化が早まる現象への配慮もあり、ホルダー装着中は充電が最大90%に制限されます。
このように、単体では普通のタブレットですが、ホルダーを中心とした使い勝手が他モデルとの差別化になり、効果的に機能しています。
さて、本機は純正ペンは発売されていませんが、「USI 2.0」というペン規格に対応しています。万が一描きやすかったりするのをこの記事で見落としては悲しいので、サードパーティー製のペンで一応チェックしておきました。
感触としては、筆圧は普通に動作し、座標の正確性もよく、ジッターもこの類のデバイスとしてはよく抑えられています。ですが、平滑化処理(ブレ補正)が強く、平滑化処理が原因と思われる遅延も大きくて描き味を損ねていました。
平滑化処理と遅延はお絵かきの時も気になりますが、文字も字画がなめされてしまいやすいです。良いペンに慣れている自分としては、他の端末を差し置いて進んで使う気にはなれませんでした。純正ペンが発売されているわけもないので、あくまで仮の結果です。
現状、Androidでペンの描き味を気にするなら、ワコムの技術を搭載した「Sペン」が付属している「Galaxy Tab S」シリーズが一番です。Pixel Tabletはクリエイティブ用途を訴求しているわけでもないので、ひとまず互換ペンを持っていればメモやマーキングはできる、ということでOKでしょう。
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