L3キャッシュ爆増しで平均15%超のパフォーマンス向上! AMDがモバイル向け「Ryzen 9 7945HX3D」を投入

» 2023年07月28日 10時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは7月27日(米国太平洋夏時間)、モバイル向けハイエンドAPU「Ryzen 9 7945HX3D」を発表した。搭載製品の第1弾となるASUSTek製ゲーミングノートPC「ROG Strix SCAR 17 X3D」は、米国で8月22日に発売される。

Ryzen 9 7945HX3D Ryzen 9 7945HX3Dのチップイメージ
ROG Strix SCAR 17 Ryzen 9 7945HX3Dを搭載した「ROG Strix SCAR 17 X3D」は8月22日に米国で発売される

Ryzen 9 7945HX3Dの概要

 Ryzen 9 7945HX3Dは、モバイル向けRyzen 7040HXシリーズの最上位「Ryzen 9 7945HX」をベースに、AMD独自の積層技術「AMD 3D V-Cache Technology」を適用してL3キャッシュを64MBから128MBに“倍増”したモデルとなる。3D-V Cacheのモバイル向けAPUへの適用は、本製品が初めてとなる。

概要 Ryzen 9 7945HX3Dの概要
積層の概要 モバイル向けAPUとしては初めて、3D V-Cache Techologyを適用して64MBのL3キャッシュを追加している

 主な仕様は以下の通りとなる。

  • CPUコア:16基32スレッド
  • CPUクロック:最大5.4GHz
  • L2キャッシュ:16MB
  • L3キャッシュ:128MB(うち64MBは3D V-Cache)
  • GPUコア:Radeon 610M(2コア)
  • TDP(熱設計電力):55W+

 AMDによると、Ryzen 9 7945HXで「SHADOW OF THE TOMB RAIDER」を1080p(フルHD)/高画質設定でプレイした状態の平均フレームレートを「100%」とした場合、Ryzen 9 7945HX3Dの平均フレームはTDPを40Wとした場合は1.23倍、TDPを70Wとした場合は1.11倍になったという(共にフレームレートの実数の記載はない)。

 L3キャッシュが倍増したことによって、特に低消費電力時(≒バッテリー駆動時)のゲーミングパフォーマンスが向上したようだ。

SHADOW OF THE TOMB RAIDER SHADOW OF THE TOMB RAIDERでは、特に低消費電力時のフレームレートが向上している
他のゲーム 他のゲームでも、ほとんどのタイトルでRyzen 9 7945HX比で平均フレームレートが向上している。ただし、サードパーソンシューターゲーム「Strange Brigade」ではフレームレートがかえって落ち込んでいることが気になる

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