プロナビ

落雷による突然の停電対策に使える! “パススルー充電機能”を活用できる「ポータブル電源」の選び方“ポータブル電源”活用でお手軽UPSを実現(第2回)(2/4 ページ)

» 2023年08月14日 12時00分 公開
[Yukito KATOITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

UPSとの違いを知る

 ポータブル電源は簡易的なUPSとして利用できると解説したが、UPSとどう違って何が簡易的なのか気になる人も居るだろう。そこで、UPSの基本的な仕組みを簡単に紹介しつつ、ポータブル電源との違いを見てみよう。

photo 常時商用給電方式の簡易的な仕組み

 まずは、比較的に安価でポータブル電源に近い仕組みを持つ常時商用給電方式だ。商用電源(コンセントに来ている交流電源)から常にバッテリーを充電しつつ、各機器へ出力して停電時にはバッテリーからの出力に切り替える。

 パススルー充電機能を持つポータブル電源との違いは、常時商用給電方式のUPSは各機器へそのまま商用電源から電力を供給するが、パススルー充電の場合は通常時であっても一度バッテリーを通す形となる。とはいえ、停電時の動作についてはポータブル電源と同じく、バッテリー出力へ切り替えるため、瞬断が発生する。

photo ラインインタラクティブ方式の簡易的な仕組み

 続いては、ラインインタラクティブ方式を採用したUPSについて簡単に触れてみよう。ラインインタラクティブ方式のUPSは、ポータブル電源と違ってトランスを搭載しており、停電時や一定以上の電圧変動(電圧降下など)を検知すると、バッテリーからの給電に切り替える。そのため、停電時のバッテリー出力への切り替えが早い点と、トランスによる電圧調整機能で、接続した機器に安定した電力を供給できる。ただし、トランスを搭載しているため、その分費用はかさむが、サーバやワークステーションも接続できるメリットがある。

photo 常時インバータ給電方式の簡易的な仕組み

 最後に、常時インバータ給電方式について触れてみよう。こちらは、通常時もバッテリーを通した上でバッテリーから出力される直流からインバータを通して交流に変換した上で各機器に出力する。

 この方式は、整流器とインバータを通す過程でノイズ低減が行われるため、各機器に対して定電圧、定周波数の安定した電源を供給できる。さらに加えて停電時にバッテリー出力への切り替え時間が発生しないため、少しの電源トラブルも許されない重要なサーバで利用する際に、通常時や停電時に関わらず高い信頼性を持たせられる。

 このように簡単にUPSとの違いについて触れてみたが、パススルー充電対応のポータブル電源はUPSの下位にあたる物で、商用利用には向かない物のUPSの導入が難しい家庭での電源保護にはちょうど良い製品といえる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月11日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  3. Minisforum、Intel N100を搭載したスティック型ミニPC「Minisforum S100」の国内販売を開始 (2024年05月10日)
  4. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  5. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. ASRock、容量約2Lの小型ボディーを採用したSocket AM5対応ミニベアボーンPCキット (2024年05月10日)
  8. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  9. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
  10. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー