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研究開発費は売上高の約12%を維持 100年企業を目指すアイコム 中岡社長が取り組むこと:IT産業のトレンドリーダーに聞く!(3/3 ページ)

» 2023年08月31日 06時00分 公開
[大河原克行,ITmedia]
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安定した企業になるには一定の規模も必要

―― 中期経営計画では、100年企業を目指し、それに向けてサステナブル経営に取り組むことを盛り込んでいます。ここでは、和歌山の自社工場におけるスマートファクトリー化もテーマの1つですね。

中岡 特別なことをやろうと考えるとハードルが上がってしまうのですが、これまで取り組んできたことを突き詰めていけば、それがサステナブルにつながることが多いと考えています。例えば、モノをコンパクトに作ること、部品点数を減らすことは、結果として、運送コストを減らし、サステナブルな経営につながります。サステナブルに関しては、現時点では、具体的な指標を打ち出しているわけではありませんが、専門家の意見を聞きながら、そう遠くない時期に数字を固めて発表する予定です。

100年企業への成長をにらんでサステナビリティも重視(同社中期経営計画 2026より抜粋)

 一方、自社工場で取り組んでいるスマートファクトリーは、少量多品種という当社ならではの特性を捉えた取り組みを進めています。当社では、毎月150〜200種類の製品を作っています。スマートファクトリーの場合は、現時点では、大量生産の工場の方が、成果が上がりやすいと言われていますが、多品種少量生産の工場でも成果が上がれば、これをニッチな領域を対象にしたモノ作りをしているメーカーや、町工場などに提案し、当社にとっては新たなビジネスの創出につなげることができます。

 既に自社工場では5ラインのうち2ラインをロボット化し、人が一切介在しないラインを稼働させています。ただ、これが最も効率化したラインなのかという点では、まだ改善の余地があります。一度、ロボットだけで稼働させてみましたが、ロボットと人が融合することで、より効率を高められるという場面もありますので、全てロボット化することにはこだわらずに取り組んでいきます。

 また、5Gをどう活用していくかといったテーマが議論される中で、スマートファクトリーは5G活用の具体的な事例の1つになると思っています。

同社東京営業所に掲げられた5G/IoT技術への取り組み 同社東京営業所に掲げられた5G/IoT技術への取り組み

―― アイコムは、これからどんな企業になることを目指しますか。

中岡 当社は小さい企業ですが、設計/生産/販売、アフターサービスまでをカバーしているメーカーです。さまざまな部門同士の垣根がない企業となり、ワンチームになることを目指したいですね。2023年3月期の売上高は341億円であり、これが500億円の規模になると、認知度も変わりますし、人材採用などにも変化が生まれることになるでしょう。いたずらに規模を追うことはしませんが、安定した企業になるためには、一定の規模になることが必要だと思っています。

 アマチュア無線では当社のブランドは定着していますが、通信市場全体という点では、まだまだ認知度は低いままです。また、業務でトランシーバーを使っている人の多くは、使えればいいとか、あくまでも道具であるという意識が強く、あまりブランドを意識しないというところがあります。

 東京駅の新幹線ホームや、羽田/成田/伊丹空港、東京の秋葉原と大阪の日本橋では、「無線は、アイコム」というメッセージの広告を掲示していますが、このメッセージ通りのイメージが浸透することを目指します。

 加えてブランドステートメントとして、「How the World Communicates〜コミュニケーションで世界をつなぐ〜」を掲げ、最先端の無線技術と品質で世界をつなぎ、人や社会を、輝く未来に導くことを目指しています。無線といえば、アイコムといわれるように、ブランド認知度を高めていきたいと考えています。

羽田空港内のメッセージ広告 羽田空港内のメッセージ広告。ブランドステートメントの「How the World Communicates〜コミュニケーションで世界をつなぐ〜」が掲げられている

※記事初出時、一部の写真などで誤りがありました。おわびして訂正します(2023年8月31日午後6時6分)。

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