世界各地にあるウエハー工場から運搬されてきた円盤状のウエハーは、クリムキャンパスにある「Die Sort Die Prep(DSDP)」という施設においてCPU製品の基本構成部品としての最小単位である「ダイ(チップ)」として切り分けられる。
ウエハーからダイの切り出し、そして切り出されたウエハーをトレイに並べる作業は、全てロボットなどを用いた自動制御となっている。また、全ての製造装置の状態はリアルタイムで監視されており、万が一、何らかの問題が出た場合は人間の担当者が対応を図るようになっている。
なお、ダイを紫外線の影響から守るために、DSDP工場内の照明は意図的に“黄色”の光線を発するようになっているのが面白い。白色光から、紫外線を含む「青色より高い周波数の光(青色より波長の短い光)」をごっそりとカットするための配慮だという。
たくさんのダイが載せられたトレイは、AGVによって「Singulated Die Sort Tester(SDX)」と呼ばれる装置まで運ばれる。
SDXは、ダイに対して超基本的な電気的駆動テストを実施する。行われるテストは1つのダイに付き数分程度とのことで、何らかの実動アプリケーションを実行するというよりは、テスト用のマイクロプログラムを実行するというイメージだという。
ここでは、1つ1つのダイに対して「正常かつ安定的に動作するコアの数」や「電気(電圧)やクロックへの耐性」などについて、大まかに判定される。つまり、このテスト結果によって、CPUとしての“グレード”がおおむね決まるのだ。
SDXで基本的な選別を受けたダイは、判定グレードごとに「テープ&リール」と呼ばれる、映画のフィルムリールのようなものに巻かれて次の工程へと進む。
次は、ついにCPUとしての“組み立て”だ。
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