Meteor Lakeにおけるタイルアーキテクチャは、Foverosによって実現したもの。では、具体的に従来のチップレット技術と何が違うのだろうか。もう少し詳しく解説してみよう。
Meteor Lakeでは、主に微細な配線のみ施した「ベースダイ」の上に、機能別に形成されたタイル(チップレット)を載せている。このタイルたちは、ベースダイに対して「マイクロバンプ接合」を行ったり、要所要所ではベースダイを貫通する形で「TSV(Through-Silicon Via)配線」を行ったりしている。
従来のチップレット技術はパッケージ基板を介してチップレット同士を配線していたが、タイルアーキテクチャではベースダイを介してチップレットを接合させている。当然なのことながら構造は複雑となるが、見方を変えるとチップレットとの接合密度を高められる。ゆえに、ベースダイを介して接合されるチップレット間のデータ伝送速度(帯域)を格段に上げられるのだ。
Intelでは各タイルを「機能名+Tile」のような名称で呼んでおり、Meteor Lakeでは以下のタイルをベースダイに集約することで1基のSoCを構成している。
タイルアーキテクチャで注目すべきなのは、各タイルのプロセスルール(微細度)は異なっても構わないという点だ。事実、Meteor Lakeの各タイルは、プロセスルールが以下の通り結構バラバラだったりする。
チップレット技術では先行しているAMDも、CPUダイとI/Oダイのプロセスルールは異なっていたので、このアプローチ自体は「できて当たり前」なのかもしれない。しかし複数のプロセスルールが混在しているタイルをベースダイに“直接”接合させる技術は間違いなく高度で、驚かされる。
Compute Tileは、初めての「Intel 4」プロセス採用製品でもある。一見すると第12世代/第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake/Raptor Lake)のCPUダイと同じように見えるMeteor Lakeは4タイル構成だが、これらのタイルを別のものに入れ替えたり、あるいはベースタイルをより大規模なものに変更した上で、より多くのタイルを載っけたりすることで、CPUの「上位モデル」「下位モデル」の設計を比較的容易に行えることが、タイルアーキテクチャやFoverosの優位性――Intelはこう主張する。
このスライドの右側のパッケージは、実際にMeteor Lakeで使われるもの。左側は「フォームファクターのコンセプト」ということで、ベースタイルを大きくして、より多くのタイルを載っけた「上位SoC」のイメージとなる次は、Meteor Lakeの中でも特に注目したい部位「Compute Tile」と「SoC Tile」について詳しく紹介する。
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