圧巻なのは設定アプリの機能で、書くのをちゅうちょしたくなるぐらいの、細かい要求に応える作りになっています。イラスト用途でよく使われる、「キーストローク」または「キーマクロ」を割り当てられる簡素な左手デバイスと比べて優れている点をざっと挙げると、
です。ざっとでも多い!
同時押しやダブルクリックはこんな感じにリスト化されていて、設定できます。
オンスクリーンのメニューは、作ってみるとこんな感じです。ワコムのドライバにもキーストロークやマクロを画面上に配置できる似た機能があります。
マクロの作成は、操作を1個ずつ登録して決定を繰り返していくタイプで、操作性としては煩雑です。そのかわり、キー操作とマウス操作、固定文字列の入力などを自由に組み合わせて、ウェイトなどを入れながらアプリの動作速度の都合で止まってしまう心配なく作り込めます。
試しに、「同じ服のキャラを何度も描く」作業を想定して、彩色に必要なレイヤーを自動で作っていくマクロを作ってみましたが、ウェイトを設定できるおかげで意図した通り動くものが作れました。
他のクリエイターの割り当てをダウンロードできるのも良い取り組みです。描き方や操作スタイルが確立された人なら自分で割り当てを作った方がいいと思いますが、何といってもこの分野で最も複雑な部類のデバイスです。他の人の使い方を参考にできると助かることも多いでしょう。
全体として、やや煩雑になってしまうとはいえ、極めて細かく複雑な要求にまで応えてくれることに感心しました。やりたいことに対して諦めなくていいのはとても大事です。
TourBox、左手操作向け多機能デバイス「TourBox Elite」の国内販売を発表
ぽつぽつ指摘していたら弱点が無くなってしまった…… XPPenの「Artist Pro 16(Gen2)」をプロ絵師が触って驚いたこと
「Wacom One 液晶ペンタブレット 13 touch」は実質Cintiq Proか!? プロイラストレーターが試す
5万円台でワコムペンが使えるAndroidタブ「Galaxy Tab S6 Lite」をイラストレーターが冷静に評価する
「Pixel Tablet」は“タブレットが持つ10年来の課題”にGoogleが取り組んだ意欲作……その課題って?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.