新しい14インチMacBook Proは、1599ドルからの設定で購入しやすくなったはずだ。しかし日本での価格は24万8800円(税込み、以下同)からとなってしまった。米国価格を11月1日時点のレートで換算すると「約22万5000円から」なので、割高感はそれほどない。米国価格が税抜きであることを考えると、為替レートによってはむしろ割安になる可能性もある。
同様にM3チップ搭載iMacの日本における価格は、8コアGPUモデルが19万8800円から、10コアGPUモデルが23万4800円からとなる。米国価格は前者が1299ドル(約19万4850円)から、後者が1499ドル(約22万4800円)からなので、こちらも割高感はそれほどでもない。
今や米国では、ラーメンですら「1杯25ドル(約3750円)」が珍しくない。インフレが進んでいる同国では、この価格設定でもかなり「手頃」なのだろう。しかし、現状の賃金や物価の状況を考えると、日本での価格設定は実態以上に「割高」と感じられるかもしれない。
とはいえ、このような割高感は、Apple製品に限らずPCやスマートフォン、タブレットでも覚えることが多い。この傾向が今後、急に変化するとは思えない。
もちろん、何かのきっかけで反転する可能性もあるが、テクノロジー(IT)製品の価格は、当面の間上昇するトレンドが続くと考えるのが妥当だろう。
このような状況下でどう評価するかだが、14インチMacBook Proに関していえばM3チップモデルが一番「費用対効果」に優れているのではないだろうか(1ドルが110円の時代なら、このモデルを17万5890円くらいで買えたのかもしれない)。
HDMI出力端子とSDメモリーカードスロットもある14インチサイズで、mini LEDディスプレイ搭載のMacは欲しいけれどProは行き過ぎ――そう考えている人には間違いなくベストチョイスだ。もちろん、ここまで円安傾向が続くなら、さっさと先代のM2 Proモデルを買っておけばと思う人もいるだろうが、もはや“後の祭り”である。
デスクトップで使うシンプルなMacが欲しい――そんな人には、M3チップのiMacは良い選択だ……というよりも、他に選択肢がない。動画処理にも長けて、GPUも強化されたM3チップを搭載しているので、アマチュアクリエイターが使う道具としては“ちょうどいい”サイズと性能を備えていると思う。
今後、MacBook Airを始めとするM2チップファミリー搭載製品も、順次M3チップファミリーで置き換えられていくことになると思う。視点を少し変えると、2024年6月に開催されるだろう「WWDC24」では、macOSにApple Silicon固有の機能(あるいはApple Silicon限定のAPI拡張)を多く実装する可能性もある。
もちろん、結果が出てきてからでもいいが、Apple Siliconでの“統一”を目指すAppleの手のひらの上で踊らされてみるのも一興なのかもしれない。
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