「Meta Quest 3」を仕事に生かす 最大5画面のデスクトップを表示するMR対応「Immersed」は神アプリか「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(2/2 ページ)

» 2023年11月09日 16時54分 公開
[石黒直樹ITmedia]
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ただし、ある程度のマシンスペックは必要

 物理ディスプレイで5画面を使うにはハイスペックなマシンが必要ですが、Immersedでの5画面利用はそこまでスペックは求められないようです。

手持ちの実機だと、次のようなリソース利用具合でした。

 Windows 11のノートPCである「LIFEBOOK WU2/H1」は通常だと「ノートPC画面+拡張1画面」しか使えませんが、Immersedだと5画面まで使えました。ただし、CPUやGPUの使用率がかなり高いです。それなりのパフォーマンスが出せる第13世代のIntel Core i7-1360P(12コア/16スレッド/Pコア 最大 5.00GHz)を搭載していますが、CPU 60%、GPU 94%と、かなりの使用率です。5画面とも1920×1200と高めの解像度を使っていることも原因の1つかと思いますが、ここまで負荷がかかると動きが緩慢になる時がありました。

photo GPUは限界に近そうです。専用GPUではなく、内蔵のIntel Iris Xe Graphicsではありますが・・・・・・

 Macの場合はCPU、特に効率性コアを中心に使用していそうです。MacBook Pro(M1 Max)での稼働となりますが、リソースにそれなりに空きはあります。体感的な処理の重さは特に感じません。

photo まだまだリソースに余裕あり

 どちらもそれなりのハイスペックマシンでの例となりましたが、2〜3画面の利用、解像度も工夫すればここまでのリソースは消費しません。一般的な使い方であれば3画面もあれば十分だと思うので、そうなると多くのマシンで実用できることでしょう。基本的にはマシンスペックと相談しながら調整すればよいと思います。

 もちろんVRヘッドセットを装着する煩わしさはありますが、Quest 3があればどこでも複数ディスプレイを使った業務が可能なのは魅力的です。さすがにカフェで使うと不審者に思われそうですが、個室で業務できる時は、それがどれだけ狭い空間であってもバーチャルディスプレイが表示できるのは強いと感じます。

 物理的な空間に左右されないのはメリットです。私はもっぱら、気分転換にとディスプレイがない場所で仕事をしたい時に活用しています。当連載でも何度か述べていますが、周りからは画面が見えないというのも、セキュリティ面で優位ですね。なお、ImmersedはWi-Fi Directや有線接続で接続性を高めることも可能です。

フィットネス系もMR化によって活用するようになった

 他にもさまざまな活用方法がありそうですが、私が今ハマっているのはフィットネスです。こちらも、MRが使えるアプリがお気に入りです。直近だと「LES MILLS BODYCOMBAT」というアプリにハマっています。

 周辺を確認しながら動けるので、非常に安心感があり使いやすくなりました。ただし、激しい動きはすぐに汗をかくため長時間のプレイは困難です。私はおおよそ10分/1回程度のプレイしかしていません。まだまだハードウェアとしての課題は多いと感じます。

360度写真・動画の体験は素晴らしい

 これはMRのお話ではありませんが、こうしたVRヘッドセットは360度カメラで撮影したデータを鑑賞するには最適です。まさにカメラの位置に自分がいるかのごとくです。

 鑑賞するためには360度カメラで撮影してQuest 3でデータを読めばいいのですが、残念なことに私の中ではまだスマートなフローが整備できていません。360度カメラで撮影したデータの変換や、Quest 3で読み込める場所への移動が必要など、やや煩雑です。

 今のところ、手元のNASにデータを配置して「SKYBOX VR Video Player」というアプリを使用して鑑賞しています。

 なお、360度カメラを上下に動かしながら撮影した動画をQuest 3で見ると、自分がフワフワと動くような感覚になり、酔います。臨場感がありすぎることが仇となりますね……。VRヘッドセットで鑑賞するのであれば、撮影に工夫が必要かもしれません。

photo 360度カメラのInsta360 X3。撮影自体は専用カメラでパシャリとするのみです

機器は重く、目は疲れやすい

 素晴らしい体験ができるQuest 3ですが、ハードウェア面においてはまだまだ大きな課題があると感じます。機器は重く、常に画面を見ることになるため目が疲れやすいです。個人的には2時間くらいは使っていられますが、超時間装着していると顔との接点への圧迫具合も気になってきます。もう一段か二段、ハードウェアのブレークスルーがないと万人が常用する世界にはならないと感じます。

デメリットはあれど、仕事に遊びに、これは経験しておくべき

 ビジネスパーソンとして、さまざまな技術に触れておくことは大切だと考えています。自分の感覚として体験しているかどうかで、出てくる発想やその精度は全く異なるものとなるでしょう。

 Quest 3はソフトウェア面においては完全に実用レベルに達していますので、手に取るには非常にオススメな1台です。

 当記事ではほぼ触れませんでしたが、体験型ゲーム機としても非常に優秀です。特にVR、MRの体験をしたことがない方は、ぜひ触れてみて欲しい端末です。

photo 現在の技術やコストバランスを踏まえると、素晴らしい完成度だと思います
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