ASUS JAPANから2023年6月23日に発売された「Zenbook Pro 16X OLED(UX7602BZ)」は、同社のZenbookシリーズの中でも高いスペックを誇るクリエイター向けモデルの1つだ。
本モデルは、ASUS独自の「ASUS Supernova System-on-Module(SoM) Design」を採用することで、一般的なノートPCと比べるとメモリへのアクセス速度が高速で、CPUの冷却効率が向上しているという。どれほどスゴいものなのか、実機をチェックしてみよう。
今回レビューするZenbook Pro 16X OLED(UX7602BZ)は、日本では1モデル(UX7602BZ-MY009WS)のみ展開されている。税込み直販価格は59万9800円となる。その主な仕様は以下の通りだ。
「Core i9-13905HってCPU、あったっけ……?」と思う人もいるだろうが、実は第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)のモバイル版のラインアップをよく見てみると、実は発表当時から存在は明らかとなっている。
このCPUは第13世代CoreプロセッサのHシリーズに属し、名前から察せられる通り「Core i9-13900H」をベースとしている。スペックもおおむね同じだが、以下の通り違いもある。
CPUのCore i9-13905Hは、Core i9-13900Hをベースに幾つかの機能を省いてコンパクト化したものだ。基本的な処理性能はCore i9-13900Hと同等だが、本機ではSupernova SoM Designによってメモリへのアクセス速度が向上している本機で採用されているASUS Supernova SoM Designは、このCPUとLPDDR5xメモリチップをモジュールとして“一体化”したものだ。これにより、マザーボードのコアエリア(※1)の面積を先代モデル(UX7602)比で約38%削減している。また、CPUとメモリチップが近接したことでメモリクロックの引き上げ(LPDDR5X-6400→LPDDR5X-7467)も実現した。メモリのクロック引き上げは、メモリのアクセス速度向上に“直結”する。
(※1)PCの中核となる「CPU」「メモリ」「外部GPU」を設置する場所
設置面積の縮小は、放熱設計の改善にも生かされている。CPUやGPUのパワーアップによって、本機は先代モデル比で3Dレンダリング性能は約8.9倍、動画エンコード性能は約1.4倍に向上しているが、CPUの熱伝導グリスを液体金属としたことでCPUの温度を最大7度低下させ、熱設計にさらなる余裕が生まれた。
ドイツのサーマルコンパウンドメーカー「Thermal Grizzly」との協業により、CPU用熱伝導グリスを液体金属とした。液体金属は、金属粒子を混ぜ込んだ一般的な熱伝導グリスと比べると熱伝導効率に優れるが、塗布するのが難しいとされている次ページでは、他の機能についてチェックしていく。
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