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CPUとメモリを一体化! 傾くキーボードも備えたASUS入魂の1台「ASUS Zenbook Pro 16X OLED」を試して分かったこと(1/3 ページ)

» 2023年08月01日 12時00分 公開
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 ASUS JAPANから2023年6月23日に発売された「Zenbook Pro 16X OLED(UX7602BZ)」は、同社のZenbookシリーズの中でも高いスペックを誇るクリエイター向けモデルの1つだ。

 本モデルは、ASUS独自の「ASUS Supernova System-on-Module(SoM) Design」を採用することで、一般的なノートPCと比べるとメモリへのアクセス速度が高速で、CPUの冷却効率が向上しているという。どれほどスゴいものなのか、実機をチェックしてみよう。

ASUS Zenbook Pro 16X OLED(UX7602BZ) ASUS Zenbook Pro 16X OLED(UX7602BZ)の実力をチェック!

少しコンパクトな「Core-H」とメモリチップを“一体化”

 今回レビューするZenbook Pro 16X OLED(UX7602BZ)は、日本では1モデル(UX7602BZ-MY009WS)のみ展開されている。税込み直販価格は59万9800円となる。その主な仕様は以下の通りだ。

  • CPU:Intel Core i9-13905H(Pコア6基12スレッド+Eコア8基8スレッド)
  • メモリ・32GB(LPDDR5X-7467規格、増設/換装不可)
  • ストレージ:1TB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)
  • グラフィックス(GPU)
    • CPU内蔵:Intel Iris Xe Graphics(実行ユニット96基)
    • 外部GPU:NVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop
  • ディスプレイ:タッチ対応16型OLED (有機EL)
    • 最大解像度:3200×2000ピクセル(アスペクト比16:10)
    • リフレッシュレート:最大120Hz
  • Webカメラ:約207万画素(顔認証対応)
  • 無線LAN:Wi-Fi 6E(2.4GHz/5GHz/6GHz対のIEEE 802.11ax)
  • Bluetooth:Bluetooth 5.1
  • インタフェース:HDMI出力端子×1、Thunderbolt 4(USB4)端子×2、USB 3.2 Gen 2 Standard-A端子×2、SDメモリーカードリーダー(SDXC対応)、イヤフォン/マイクコンボ端子
  • サイズ:約355(幅)×251(奥行き)×16.9〜20.9(高さ)mm
  • 重量:約2.4kg

 「Core i9-13905HってCPU、あったっけ……?」と思う人もいるだろうが、実は第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)のモバイル版のラインアップをよく見てみると、実は発表当時から存在は明らかとなっている。

 このCPUは第13世代CoreプロセッサのHシリーズに属し、名前から察せられる通り「Core i9-13900H」をベースとしている。スペックもおおむね同じだが、以下の通り違いもある。

  • CPUのパッケージ(チップ)がよりコンパクトな「BGA Type 4」となっている
  • 利用できるメモリはLPDDR5/LPDDR5X規格のみ
  • 外部GPU用のPCI Express 5.0バス(16レーン)は「PCI Express 4.0」規格に
  • Thunderbolt 4(USB4)端子の最大数は4から3に
  • 「Intel vPro Enterprise」への対応を省略
CPU-Z CPUのCore i9-13905Hは、Core i9-13900Hをベースに幾つかの機能を省いてコンパクト化したものだ。基本的な処理性能はCore i9-13900Hと同等だが、本機ではSupernova SoM Designによってメモリへのアクセス速度が向上している

 本機で採用されているASUS Supernova SoM Designは、このCPUとLPDDR5xメモリチップをモジュールとして“一体化”したものだ。これにより、マザーボードのコアエリア(※1)の面積を先代モデル(UX7602)比で約38%削減している。また、CPUとメモリチップが近接したことでメモリクロックの引き上げ(LPDDR5X-6400→LPDDR5X-7467)も実現した。メモリのクロック引き上げは、メモリのアクセス速度向上に“直結”する。

(※1)PCの中核となる「CPU」「メモリ」「外部GPU」を設置する場所

SoM ASUS独自のSupernova SoM DesignでCPUとLPDDR5メモリを“一体化”することで、コアエリアの面積を約30%削減している

 設置面積の縮小は、放熱設計の改善にも生かされている。CPUやGPUのパワーアップによって、本機は先代モデル比で3Dレンダリング性能は約8.9倍、動画エンコード性能は約1.4倍に向上しているが、CPUの熱伝導グリスを液体金属としたことでCPUの温度を最大7度低下させ、熱設計にさらなる余裕が生まれた。

パフォーマンス ドイツのサーマルコンパウンドメーカー「Thermal Grizzly」との協業により、CPU用熱伝導グリスを液体金属とした。液体金属は、金属粒子を混ぜ込んだ一般的な熱伝導グリスと比べると熱伝導効率に優れるが、塗布するのが難しいとされている

 次ページでは、他の機能についてチェックしていく。

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