さて、ホームアプリに登録された赤外線リモコン対応家電は、他のデバイスと同様にオン/オフなどの操作を行える。登録さえできれば非常にシームレスで使い勝手は良好なのだが、実は登録にあたって大きな制限がある。
それは、赤外線リモコン対応家電がMatter経由で使えるか否かは、SwitchBotアプリに登録した時の方法に依存することだ。SwitchBotアプリへの赤外線リモコン対応家電の登録には「自動学習」「手動学習」「ボタン学習」の3つの方法があるが、Matterから認識できるのは、このうち「自動学習」か「手動学習」のどちらかを使った場合に限られ、「ボタン学習」で個別に設定した場合は認識されない。
これがもし「自動学習」「手動学習」のいずれかでほとんどのケースをカバーできていれば問題はないのだが、SwitchBot ハブ2における赤外線リモコン対応家電の登録は、データベース内に該当の型番がないなどの理由で「ボタン学習」を用いるケースが少なくない。この場合、SwitchBotアプリ上からは操作が行えても、このMatter経由でiPhoneのホームアプリからは利用できないことになる。
事実、筆者が登録済みの4つの赤外線リモコンのうち、Matter設定を行ってホームアプリ上で表示できたのは「自動学習」「手動学習」で登録したエアコンだけで、「ボタン学習」で登録した照明と扇風機については表示されなかった。Matterの設定自体はきちんと行えたのに、赤外線リモコン対応家電がなぜか表示されない場合は、このパターンが多いと考えられる。
この場合、改めて「自動学習」か「手動学習」でリモコンの再登録を行うことになるが、実際のところボタン学習を選択している時点で、これらの方法では登録できなかったケースがほとんどだと考えられるので、その場合は登録方法がなく、利用をあきらめるしかない。手動学習のリストにないマイナーな家電製品は、このパターンに陥る可能性は極めて高いと言っていいだろう。
また登録できたとしても、エアコン以外の赤外線リモコン対応家電は、基本的に電源のオン/オフしかできない。これはMatter側のデバイスタイプの制限によるもので、普段からアプリ上で細かい操作を行っているとかなり不便に感じる。アップデートが行われるとしてもかなり先と考えられるため、これに耐えられなければ、SwitchBotアプリ経由での操作へと利用環境を戻した方がよいだろう。
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