インテル、日本で「Core Ultraプロセッサ」を正式発表 AI処理を高速化

» 2023年12月18日 12時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 インテルは12月18日、新しいモバイル向けCPU 「Core Ultraプロセッサ」(開発コード名:Meteor Lake)を日本で正式に発表した。搭載PCは各メーカーから順次発売される。

photo インテルの鈴木国正氏(代表取締役社長)

 Core Ultraプロセッサは全モデルにAIプロセッサ(NPU)を搭載しており、NPUを利用できるアプリのパフォーマンス大きな向上が見込める。プロセッサの詳細は以下にある既報の通りだ。

・→「AI PC」がベールを脱ぐ! 次世代のモバイル向け「Core Ultraプロセッサ」正式発表 搭載ノートPCは順次発売

・→「Meteor Lake」はCPUコアが3種類!? Intelが次世代CPUの詳細を発表(前編)

・→Intel“逆襲”の鍵はやはり「AIプロセッサ」か 次世代CPU「Core Ultra(Meteor Lake)」を解説(後編)

photo PCメーカー各社から登場するCore Ultra搭載PC

IntelのAI戦略は

 インテルは自社のビジョンとして「AI Everywhereの実現」を掲げている。これはプラットフォームを問わず、AIによる恩恵を多くの人が得られるようにするというもので、Intel 4プロセス技術を採用し、AIに関する処理のパフォーマンスを向上させたCore Ultraプロセッサの投入も、それを体現したものといえる。IntelはCore Ultraプロセッサについて「40年間で最大のアーキテクチャ変革をもたらす」と銘打っている。

 インテルの大野誠氏(執行役員 経営戦略室長)によれば、現在は機械学習や推論といったAIに関するワークフローのほとんどがクラウド上で行われているが、今後の多様なニーズに応えていくには、推論の一部をローカルやエッジコンピューティングで処理することを考えていく必要がある。これは処理の遅延を最小限に抑えたいというパフォーマンスの問題や、クラウド利用時のコスト、セキュリティなど、さまざまな要因によるものだ。

 インテルは今後、クラウドとエッジの良さが相互補完しあうようなハイブリッドモデルに進化していくとして、クライアント側が持つAI処理能力のニーズが高まっていくと見通している。

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 今回のCore Ultraプロセッサは、独立したNPU「Intel AI Boost」を搭載しており、「AIのために構築された電力効率の高いプラットフォーム」(インテル)としている。例えば「Core i7-1360P」と「Core Ultra 7 165H」を実用面で比較した場合、生成AIに関する処理のパフォーマンスは1.7倍、Zoomによるビデオ通話中の電力消費は38%削減になるという(詳細は以下記事も参照)。

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・→「AI PC」がベールを脱ぐ! 次世代のモバイル向け「Core Ultraプロセッサ」正式発表 搭載ノートPCは順次発売

 「既にビデオ会議の背景ぼかしやオーディオ処理などでAIが部分的に活用されているが、今後は本格的なアシスタントとしてユーザーのさまざまな仕事を手伝うなど、クリエイティブ性や生産性の向上につながるAIが伸びる。AIの持つ今後の可能性が解き放たれていく世界を楽しみにしてほしい」(大野氏)

Core Ultra搭載モデルを使った画像生成デモ

エンタープライズ向けの「Xeon」は第5世代に

 主にデータセンター向けの「Xeon」も「第5世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」(開発コードネーム:Emerald Rapids)として新世代に突入する。

 こちらもAI処理や電力効率の向上、データセンター向けセキュリティ技術の実装が実施されている。第4世代に比べて汎用(はんよう)的な計算処理は1.21倍、推論処理は1.42倍など、性能向上が図られている。プラットフォームが異なる第3世代と比べた場合、その差はさらに広がり、推論処理は14倍になる。

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Intel復権のカギを握る3つのフォーカスエリア

 インテルの鈴木国正氏(代表取締役社長)は報道陣向け記者発表会で、「半導体業界の安定のために、責任を感じて動いている──これがIDM 2.0(2021年にIntelが打ち出した事業方針)の基本的な心持ちになっている」(鈴木社長)と話した。

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 米Intelのパット・ゲルシンガーCEOが主導する、3つのフォーカスエリア(グローバルサプライチェーンの強化、ムーアの法則の継続、AI Everywhere)は変わりなく進行しており、これからも重点的にフォーカスしていくと説明した。特にグローバルサプライチェーンの強化については、Intelの半導体製造工場ラインで、米Armのモバイル向けチップを製造する協業体制(4月発表)についてを指している。

 今後も引き続き自社工場の製造ネットワークを強化しながら、外部の工場を活用することも継続する。これらについては、10兆円から15兆円の規模で投資を続けていくという。

・→「AI PC」を試して触れる! ビックカメラ有楽町店の体験コーナーに行ってきた

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