ここからは、ベンチマークテストを通してSwift Edge 16(Ryzen 7 7540U/512GB SSDモデル)のパフォーマンスをチェックしていく。なお、今回は全てのテストにおいて電源設定をOS標準設定の「最適なパフォーマンス」で行っている。
まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行した。10分間のうちに可能な限りテストを繰り返す設定を有効とした上で、最後に実行されたテストの結果は以下の通りである。
Webサイトにアップロードされている各種テスト結果と比べると、Ryzen 7 7840U搭載PCの平均的なスコアより少し低めだが、ノートPCとしては十分高いパフォーマンスを発揮できている。
続いて、PCの総合ベンチマークテスト「PCMark 10」の結果を見ていこう。
こちらも、普段使いでは十分すぎるほどのスコアを記録している。特にEssentialsとProductivityのスコアは高いので、世間一般に言われる「オフィスワーク」は高いので、仕事での効率アップに期待できるだろう。
Ryzen 7 7840Uは、RDNA 3アーキテクチャベースのGPU「Radeon 780M」を搭載している。ノートPC向けCPU(APU)に統合されたGPUとしては性能が高いとされるRadeon 780Mの実力を、3Dグラフィックスのベンチマークテスト「3DMark」でチェックしよう。
今回は、はDirectX 12ベースで高負荷の「Time Spy」、同APIベースで低負荷の「Night Raid」、DirectX 11ベースで高負荷の「Fire Strike」の3つのテストを実施した。結果は以下の通りだ。
確かに、CPUに統合されたGPUとしてはスコアは高めだ。最近のポータブルゲーミングPCがRyzen 7040Uシリーズ(あるいはRyzen Z1シリーズ)を搭載する理由がよく分かる結果といえる。これだけのスコアが出れば、タイトルにもよるが720p(HD/1280×720ピクセル)あるいは1080p(フルHD/1920×1080ピクセル)の設定であれば、ある程度高画質な設定でもゲームを楽しめそうだ。
実際のゲームベースのベンチマークテストである「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)と、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチマーク)も合わせて実行した。解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)のフルスクリーンで、結果は以下の通りだ。
FF14ベンチマークでは標準品質(デスクトップPC)で「やや快適」、最高品質にしても「普通」という評価になった。より負荷の重いFF15ベンチマークでは、標準品質以下に落とすことで「普通」という評価となった。
超ハイスペックなGPUを求めるようなタイトル(あるいは画質設定)でなければ、十分に遊べる。内蔵GPUでもここまでできるようになったのは、素直にスゴいと思う。
今回のレビュー機には、SK hynix製のPCI Express 4.0対応SSD「HFS512GEJ9X125N」が搭載されている。そのパフォーマンスを「CrystalDiskMark 8.0.4」で確かめた。結果は以下の通りだ。
PCI Express 4.0接続ということもあって、読み書き共に十分な速度を確保できている。特に動画編集など、シーケンシャル性能が求められるシーンでは快適に使えそうだ。
最後に、PCMark 10のバッテリーテストを使って、実利用環境に近い状況での連続稼働時間を計測した。シナリオは「Modern Office」を利用し、ディスプレイ輝度を40%にしてテストを行った。
バッテリーが100%(満充電)から5%になるまでの時間は「9時間25分」だった。高負荷な作業をしないのであれば、外部電源がなくても問題なく1日作業できるのは心強い。
Acer Swift Edge 16は、16型と大型なディスプレイを搭載しているにも関わらず、薄型軽量ボディーを実現することで持ち運びが容易なことが何よりも魅力だ。有機ELパネルを採用することで、単に大画面であるだけでなく、高い品質と色再現性を実現しており、色味が重要なクリエイティブな作業でも実用的に使える。
性能に関しても、Ryzen 7 7840Uを搭載することで処理の重い作業やゲームプレイも快適にこなすことができる。Ryzen AIについては、活用できるアプリが現状では限られているが、Ryzen 8040シリーズのリリースに合わせてアプリ面での開発促進にも注力することのことなので、今後に期待したい。
性能面で妥協することなく、外出時にも効率的に作業をこなせる本機は、優れた“モバイル”ノートPCといえる。大画面を持ち歩きたいという人は、ぜひ導入を検討してみてほしい。
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