青天井化を推し進めた象徴的なパーツが、2022年10月に登場したGeForce RTX 4090搭載カードだ。
登場時から30〜35万円ほどの高価なカードながら、2023年以降も品薄傾向のまま「入荷すれば売れる」といった状況が続いた。どこのショップでも、22〜27万円前後で買える1ランク下のGeForce RTX 4080搭載カードよりも人気があった。
生成AIを含む研究用途やクリエイター用途での需要も高いが、ゲームを含むコンシューマーの需要も大きいことは、外観にもコストをかけたホワイトモデルがヒットを連発していたことからもうかがえる。
GeForce RTX 4090カードの売れ方について、パソコンSHOPアークは「一世代前のRTX 3090搭載モデルはまだ別枠感が残っていましたが、RTX 4090だとハイエンドの上に存在するウルトラハイエンドという感じがしますね。普通に選ばれますし、RTX 4080搭載モデルはその割を食う形になっていると思います」と分析していた。
夏には供給が比較的安定したが、秋になると再び品薄傾向がみられるようになる。価格は最安クラスで25万円台の製品まで見つかるようになり、人気は相変わらずだが、じわじわと買いにくい状況になっていった。
その傾向は、11月下旬に急激に悪化する。11月末にはRTX 4090の在庫を切らすショップが増え、再入荷時に40万円以上の値がつく製品も見られるようになった。あるショップは「11月半ばに米国が中国への輸出規制品にRTX 4090を加えたことが大きいと思います。その反動で、日本でも猛烈な買い占めが起きたんですよ。免税店は特にひどかったみたいです」と語る。
とりわけ人気の高かったASUS JAPANの「ROG Strix」シリーズは再入荷後に43〜45万円ほどの値が付けられており、パソコン工房秋葉原本店は「さすがにこの価格だと動きが止まりますね」と話していた。
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