続いてOSDメニューもチェックしておこう。OSDメニューは、側面の物理ボタンを使って表示させた後に、タッチスクリーン上で操作を行う。全てのメニューがアイコンで表示されており、テキストラベルがほとんどない。一部分かりにくい項目があるが、操作性自体は悪くない。
ただし、このOSDメニューを表示するためのボタンは本体ではなくスタンドにあり、しかもそれが正面から見て左側の奥ということで、手を大きく回して操作しなくてはならず、少々使いづらい。せめて左側ではなく右側にあった方が、ボタンを押した後すぐに同じ手でタッチ操作ができて便利だったのではと思う。
さて、本製品にはスタイラスタッチペンが標準添付されており、本製品をペンタブレットのように利用できる。タッチに対応したモバイルディスプレイは多数あるが、本製品のようにスタイラスが付属し、タッチでもスタイラスでも、どちらでも利用できるのは珍しい。
スタイラスタッチペンは4096段階の筆圧検知と、45度の傾き検知に対応している(macOSおよびAndroidは筆圧検知に非対応)。バッテリーを内蔵しており、給電は側面にあるUSB Type-Cポートから行う。また本体後部には導電繊維のキャップも取り付けられており、指先を使わずにタッチ操作が行える。
ざっと使ってみたが、Surfaceなどでも採用されているMPP2.0規格に準拠したスタイラスタッチペンということで、非常に安定している。利用にあたってペアリングは不要なので、接続元のPCでも同じMPP2.0対応のタッチスクリーンを採用している場合、このスタイラスタッチペン1本で両方をまとめて操作できるのも、使い方によっては便利かもしれない。
以上のように、モバイルディスプレイとしての機能はほぼ全部入りで、さらにスタイラスタッチペンのような付加価値もある。それでいて3年保証まで付属しているなど、実売4万6980円(税込み)という価格はむしろ安く感じる。Amazonでは定期的に割引クーポンも出ているようなので、それらを併用すれば、お買い得感はさらに増す(記事掲載時点では、5000円クーポンが適用され実売4万1980円になっている)。
そんな本製品であえて弱点を挙げるとするならば、設置方法のバリエーションの少なさだろう。本製品のスタンドは横置きと縦置きの両方に対応できるが、VESAマウントや三脚に取り付けられるようなギミックはない。
できるのはせいぜい、タブレット用のアームを使っての設置くらいだろうが、画面サイズが大きいため適合するタブレットアームは多くなく、また背面スタンドの段差があるため、必ず取り付けられるとは限らない。17型という大画面ゆえ据え置きでの利用も視野に入る本製品だが、設置方法が限られている点は、考慮しておいた方がよさそうだ。
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