Intelは2月26日(中央ヨーロッパ時間)、スペインのバルセロナで開催されている「MWC Barcelona 2024」に合わせてXeonプロセッサに関する発表を幾つか行った。
昨今のIntelのコンシューマー向けCPUは、処理パフォーマンスを重視する「パフォーマンスコア(Pコア)」と、マルチスレッド動作には対応しない一方で消費電力に優れる「高効率コア(Eコア)」を併載するデザインを取っている。
一方で、ワークステーションやサーバ/データセンター向けのXeonプロセッサは従来、Pコアに相当するコアのみを搭載してきたが、昨今のコンピューティングの情勢を踏まえてEコアのみを搭載する「Sierra Forest」(開発コード名)の投入が計画されている。
Sapphire Rapidsについては、Eコアのみの構成であること以外に以下の特徴を備えていることが明らかとなっている。
今回の発表では、このSierra Forestの市場への投入が2024年後半であることが分かった。2023年3月時点では「2024年前半に出荷開始」と言っていたため、少し投入が遅れることになるようだ。
なお、今回のMWC Barcelona 2024では、Sierra Forestを利用した5Gコアのデモンストレーションが実施される。Intelによると、Sierra Forestを使うことによって1ラック当たりのコア処理のパフォーマンスが最大で2.7倍となる一方で、同社が開発した電力管理ソフトウェア「Intel Infrastructure Power Manager」を組み合わせる事で電力消費を一層抑えられるという。
また、Sierra ForestはDell Technologies(Dell)、Ericsson、Hewlett Packard Enterprise(HPE)といったハードウェアベンダーの他、KDDI、SK Telecom、Telstra、BTといった世界の大手通信事業者も性能を評価しているという。
初のEコアオンリーのXeonプロセッサとなる「Sierra Forest」は、登場時期が2024年後半にずれこんだ。ただし、既にハードウェアベンダーやキャリア(通信事業者)による性能評価は本格化している一方、従来の流れをくんでPコア(相当)のみで構成されるXeonプロセッサとしては「Granite Rapids」(開発コード名)の投入が2024年に予定されている。今回の発表では、サーバ向けのGranite Rapidsが2024年内に出荷した後、2025年にその派生モデル「Granite Rapids-D」を投入する予定であることが明らかとなった。
Granite Rapids-Dは、vRAN(仮想無線アクセスネットワーク)を構築するソフトウェアで使われるAVX(Advanced Vector Extensions)命令や「Intel vRAN Boost」の機能を改善したCPUで、サンプル出荷は始まっているという。既にSamsung Electronics(サムスン電子)やEricssonが本CPUを使ったvRANの検証を始めており(※1)、Intel自身もDell、HPE、Lenovo、Red Hat、Wind Riverなどと協業を始めているという。
(※1)EricssonはIntelとの共同研究施設で検証を実施
Pコアオンリーの「Granite Rapids」の派生プロセッサとして、AVX命令の実行効率やIntel vRAN Boost利用時のパフォーマンスを改善した「Granite Rapids-D」もリリースするという。こちらは、サーバ向けのGranite Rapidsのリリース後、2025年に登場するそうだ
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