ここからはRadeon RX 7900 GREの実力を各種ベンチマークテストを通じチェックしていく。
今回は機材調達の都合から、Intelの「Core i7-12700F」を搭載する自作PCでテストを実施した。グラフィックスドライバーは、AMDから提供された「バージョン23.40.19.01」(テスト版)を利用している。
比較として、過去にテストを行ったRadeon RX 7900 XTX/XTや「GeForce RTX 4070 SUPER」のテスト結果も掲載する。一部パーツ構成が異なるものもあるため、あくまでも参考値として捉えてもらえると幸いだ。
まず、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみる。今回はDirectX 11ベースのFire Strikeシリーズと、DirectX 12ベースのTime Spyシリーズ、リアルタイムレイトレーシング(RT)の性能をチェックするPort Royalを実行した。総合スコアは以下の通りだ。
結果的には、おおむねAMDが想定している“仕様通り”となった。Radeon同士で比較すると、単純に各種コアの数に比例して性能が変動するといった感じだ。
一方で、同じ1440pをターゲットとするGeForce RTX 4070 SUPERと比べると、それよりは着実に高い性能をマークしている。なお、AMDではRadeon RX 7900 GREのライバルとしてGeForce RTX 4070 SUPERや「GeForce RTX 4070」をターゲティングしているようだ。
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」をフルHD/WQHD/4Kの3つの解像度の最高画質でスコアを測った。結果は以下の通りだ。
Radeon同士の比較は、3DMarkと同じく7900 XTXや7900 XTに次ぐ第3位だった。注目したいのがGeForce RTX 4070 SUPERとの比較で、こちらは3DMarkとは異なり、スコア面で逆転されてしまっている。
ご存じの通り、FF14はNVIDIA製GPUに最適化されている。当然ながら、同じグラフィックスエンジンを用いるFF14ベンチマークも、同社製GPUの方がスコア面で“有利”だ。そのため、このスコア差も想定の範囲内ではある。
ただ、7900 GREと4070 SUPERの差は、それほど大きくはない。極端に「こっちの方が高性能」ということもないので、単純に値段だけを考えれば7900 GREは1440pゲーミングを手頃に快適化できるGPUだと言ってもよいだろう。
負荷がより重い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」も試してみた。こちらも、FF14同様にNVIDIA製GPUに最適化されているので、順当に行けば4070 SUPERの方がスコア面で有利な予感もする。
結果は以下の通りだ。
予想通り、FF14ベンチマークと同様に7900 GREは4070 SUPERに負けてしまっているが、WQHD解像度でゲームを楽しむという観点では十分なスコアを確保している。条件的なハンディを考えれば健闘しているといえるだろう。
より負荷の高いゲームや、クリエイター向けアプリのパフォーマンスもチェックしていこう。
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