生成AIを使いこなす効果的な「プロンプト」の基本のキ 書き方のコツを日本マイクロソフトが説明(1/2 ページ)

» 2024年03月05日 20時06分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 Microsoftが提供する「Copilot」は、生成AIを活用したチャットbot型のアシスタント機能だ。日本語にも対応しており、Windows 11/10には「Copilot in Windows」という名称でOSに組み込まれている他、Webブラウザやスマートフォンアプリ(Android、iOS)からも利用できる。

 同社はChatGPTを開発した米OpenAIとパートナーシップを結んでおり、CopilotもChatGPTに使われている大規模言語モデル(GPT)をベースにしている。簡単に言えば、ChatGPTにBingの検索アルゴリズムを統合したものと考えればいい。

 Copilotは、ユーザーが実現したいこと──例えば「物事を調べる」「アイデアの発案や壁打ち」「プレゼンのスライドや報告書などの作成補助」「WebサイトやPDFファイルの内容を要約」「翻訳」「画像の分析」「画像生成」といった作業を、自然な言葉で投げかけて実行できるのが大きな特徴だ。

 しかし、Copilotにどう問いかけるかによって、返答される内容の質に差が生まれてくる。3月5日に行われた記者向け説明会では、マイクロソフト ディベロップメントの篠塚祐紀子氏(WWE Japan 開発統括本部 プロダクト マネージャー)が「Copilotを使うときに入力する“プロンプト”のコツは3つあります」と説明した。

photo マイクロソフト ディベロップメントの篠塚祐紀子氏(WWE Japan 開発統括本部 プロダクト マネージャー)

効果的なプロンプトを書くコツは3つ

 プロンプトとは、Copilotのような生成AIに投げかける質問のことだ。知りたいことや実行したいタスクを自然な言葉でCopilotにお願いできるということは間違いないが、どうすれば必要な答えを求めている形で得られるのか、理解しておくことで最終的な結果は異なってくる。

photo プロンプトとは何か

 篠塚氏は効果的なプロンプトを書くコツとして、次の3つを挙げた。

目的を説明する

 まずは人に物事を分かりやすく伝えるのと同じように、Copilotによって何を解決したいのか、何を知りたいかをしっかりと言葉で表現することだ。

 複雑な答えを求めたい場合は、指示を各ステップに分割し、どの順番で考えるべきかまで伝えるようにするといいという。例えば「以下のステップに従ってください。(1)○○の利点を3つ列挙して、(2)○○の欠点を3つ列挙して」と書くというものだ。

 こういったプロンプトを投げかけることで、回答が分かりやすく記述されて返ってくる可能性が高まる。

photo 複雑な指示はステップに分割すると、スムーズな回答を得られやすくなる

場面と役割を設定する

 何らかのアイデアをCopilotに求める場合、ロールプレイをするように役割を定義してから指示するのも有効だ。例えば、簡単なパスタレシピをCopilotに尋ねるなら、「家にある食材を使った」「トマトベースの」といった状況説明の補足を付け加えることで、適切な回答を得られやすくなる。

 他にも、結婚式のスピーチの原稿を考えてもらいたい場合、自分がどのような立場で参加するのか、誰の結婚式なのかといった背景情報を前提条件として付け加えることによって、提案されるスピーチ内容の方向性やニュアンスが調整される。

photo 「場面と役割を設定する」

回答の表現方法や出力方法を伝える

 Copilotに回答を求める際に、実はその表現方法も指示できる。どういったスタンスの季節のあいさつなのか、どのようなトーンでメールの例文を書いてほしいのか、調べた内容を表や箇条書きで回答できないか、あらかじめ指示することによって望んだ形の回答が得られることになる。これはまさに生成AIの強みといえるだろう。

photo 「回答の表現や出力方法を変える」
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