プロナビ

HPの成長エンジン それは「AI PC」と「ハイブリッドワーク」HP Amplify Partner Conference 2024(2/2 ページ)

» 2024年03月07日 17時00分 公開
[笠原一輝ITmedia]
前のページへ 1|2       

IntelとQualcommのCEOが「AI PC」の推進を強調

 ロレスCEOの講演には、4社のパートナー企業のCEOがゲスト登壇した。そのうち、Intelのパット・ゲルシンガーCEOと、Qualcommのクリスチアーノ・アモンCEOは会場に駆けつけて“リアルに”登壇した。

IntelゲルシンガーCEO:HP製ノートPCのユーザーであることをアピール

 トップを切って登壇したのは、IntelのゲルシンガーCEO。同氏はCore Ultraプロセッサ搭載の「HP Spectre x360」を持ってきて、「最近はこれがお気に入りで、実際にPCとして使っている」とリップサービスをすると、ロレスCEOがすかさず「みなさん覚えておいて、IntelのCEOがHPのPCを使っていると(笑)」とジョークで返すと、会場は大きな笑いに包まれた。

ゲルシンガーCEO ロレスCEO(左)と握手する、Intelのパット・ゲルシンガーCEO(右)

 ゲルシンガー氏は自社が推進する「AI PC」について以下のように語り、PCそのものの在り方を変える存在となり得ることを強調した。

 今のAI PCの動向は、「Centrino(セントリーノ)」が登場して、その3年後にWi-Fi(無線LAN)が当たり前になった時と同じようなものだと考えてほしい。Centrinoによって、どこに行ってもWi-Fiがあるのが当たり前となり、ノートPCを“ワイヤレス”で使うのが当たり前になった。

 Centrinoの登場から20年が経過したが、もしかするとその間、PCはあまり進化していない、あるいは「少し退屈なデバイス」だと思われていたかもしれない。しかし、これからはそんなことはない。(AI PCによって)PCは退屈ではなくなる

ゲルシンガーCEO 小道具(?)として、Core Ultraプロセッサ搭載の「HP Spectre x360」を取り出すゲルシンガーCEO

QualcommアモンCEO:「Snapdragon X Elite」がWindows PCを変える

 QualcommのアモンCEOは、2024年に登場するSoC「Snapdragon X Elite」について以下のように語り、同SoCがWindows PCのゲームチェンジャーになることをアピールした。

 今私たちは、Windows環境をArmの命令セットに置きかえていこうとしている。Armの命令セットはスマートフォンから始まり、自動車、そしてサーバなどでも使われ始めている。PCも例外ではなく、これから従来のアーキテクチャからの切り替えが発生する。それはAppleがMacのSoC(Apple Silicon)をiPhoneのSoC(ベースのもの)に置きかえていったようなものだ。

 これにより、ノートPCはより省電力になり、バッテリー駆動時間が改善する。また、私たちは「NPU(ニューラルプロセッサ)」を導入していく。CPUやGPUの性能を上げていくのはもちろんだが、それと同時にNPUを導入していくことで、AIを使っても十分なバッテリー駆動時間を実現していく。

アモン Qualcommのクリスチアーノ・アモンCEOは、2024年リリース予定のSnapdragon X Eliteについて語った

MicrosoftとGoogleは「AIが変えるユーザー体験」を紹介

 一方、Microsoftのサティヤ・ナデラCEOとGoogleのサンダー・ピチャイCEOは、オンラインでのバーチャル登壇となった。両氏ともAI、特に生成AIがPCにもたらす“変化”を紹介した。

MicrosoftナデラCEO:AI PCは「PCの再発明」 Copilotは「UI」に

 MicrosoftのナデラCEOは、自社の「Copilot」シリーズを念頭に、AI PCに関して以下のように語った。

 AI PCはPCの再発明だ。AIは新しいユーザーインタフェース(UI)であり、自然言語やマルチモーダルなどを活用していくことで、ユーザーに新しいユーザー体験(UX)を提供していく。「Copilot in Windows」や「Copilot for Microsoft 365」などにより、ユーザーの生産性向上に貢献したい。

ナデラCEO オンライン登壇したMicrosoftのサティヤ・ナデラCEO

GoogleピチャイCEO:Geminiを含むAIがUXを変えていくとアピール

 GoogleのピチャイCEOは、AIが変えるUXの可能性を語った。

 Googleは「Gemini」を導入して、より使いやすいAIをユーザーに提供しようと取り組んでいる。これまでは、何かを作ろうとすると「Google ドキュメント」などを開いて文章を作るというやり方だったが、これからはミーティングアプリを起動すると、ミーティングのノートが自動で開くようになる。そういうコンピュータの体験が変わっていくパラダイムシフトが起こっていくと考えている。これからの12〜24カ月は、すごい勢いで“進化”していくと思う。

ピチャイCEO Googleのサンダー・ピチャイCEO
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月09日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー