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レノボ・ジャパンがThinkPadや周辺機器の「卒業式」を挙行する理由(2/3 ページ)

» 2024年03月14日 16時45分 公開
[迎悟ITmedia]

設計から卒業(処分)まで、全場面でサステナビリティーに配慮

 サステナビリティーへの具体的な取り組みは、教頭……ではなくサービスセールス事業統括本部の吉田尚弘本部長が説明した。

吉田尚弘本部長 サステナビリティーに関する具体的な説明は、サービスセールス事業統括本部の吉田尚弘本部長が行った

 現在、コンピュータが活躍する場は、PCやサーバーといった「従来のコンピュータ像」として分かりやすいものだけでなく、IoT(モノのインターネット)用途の人目に付かない場所にも広がっている。当然、そのデバイスの数は飛躍的に増加している。

 その結果、消費電力も増加の一途をたどり、デバイスの卒業(処分)も増えている。サステナビリティーへの取り組みは、多くの企業にとって重要な経営課題の1つだ。

 同社ではデバイスの購入から処分に至るまでのプロセスだけでなく、設計や製造、物流といったデバイスの循環に関わる全ての場面における消費電力を削減する取り組みを進めている。また、デバイスにリサイクル素材を積極的に採用するなど、取り組みを強化していると説明した。

 例えば、PCの製造時には同社が独自に開発した「低温ハンダ」を用いることで、製造時に消費するエネルギーの削減を図っている。製品パッケージには竹由来の素材を使うなど、製造や再利用に大きなエネルギーを要するプラスチック素材の利用を廃止するといった取り組みも実施している。

 また、PCの消費電力において最も大きな比率を占めるディスプレイの消費電力を下げる取り組みとして、AIとWebカメラを組み合わせ活用し、ユーザーが使用していないときにディスプレイ輝度を下げ消費電力を削減する「コンピュータビジョン」の実装/提供や、サーバ製品ではより効率的に排熱を行う液冷技術「Neptune」の採用で消費電力の削減を行っている。

リサイクル素材 ThinkPadを始めとするレノボ製品では、パッケージに使われるプラスチック素材の比率を順次削減していき、現行製品ではプラスチックフリーを実現した
リサイクル素材 デバイス本体へのリサイクル素材の利用比率も高めている

 檜山社長が触れたARSについては、他社製品も含めて回収を引き受けている。データ保存に対応するデバイス(ストレージ本体を含む)については、データ消去に関する国際基準「NIST800-88」にのっとった処理を行った上で、リユース/リサイクルのプロセスに回している。

 このように、同社ではデバイスが生まれてから役目を終えるまでの全ての場面でサステナビリティーを追求し、同社が掲げる「2050年までにネットゼロ(温室効果ガス排出の実質的ゼロ)」を達成できるよう尽力しているとのことだ。

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2024年05月09日 更新
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