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Intelの最新AIアクセラレーター「Intel Gaudi 3」は2024年第3四半期から本格出荷 一部OEMには先行出荷

» 2024年04月10日 00時35分 公開
[井上翔ITmedia]

 Intelは4月9日(米国太平洋時間)、AIアクセラレーター「Intel Gaudi 3」を発表した。出荷開始スケジュールは以下の通りだ。

  • 2024年第2四半期:先行OEMパートナー(※1)向け(先行出荷)
  • 2024年第3四半期:OAM(※2)およびユニバーサルベースボード(※3)
  • 2024年第4四半期:PCI Expressカード

(※1)Dell Technologies、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Lenovo、SuperMicroの4社
(※2)Open Accelerator Module(参考リンク
(※3)OAMタイプのモジュールを8基並べたハードウェア

Intel Gaudi 3 Intel Gaudi 3の概要
3種類ある Gaudi 3はOAM、ユニバーサルベースボード、PCI Expressカードの3形態で供給される
供給体制 2024年第4四半期に、Dell Technologies、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Lenovo、SuperMicroの4社からOAM(またはユニバーサルベースボード)を組み込んだシステムが先行出荷される

 Intel Gaudi 3は、深層学習(DL)用AIアクセラレーター「Intel Gaudiシリーズ」の第3世代に当たる。先代の「Intel Gaudi 2」が7nmプロセスで製造されていたのに対して、Gaudi 3は5nmプロセスで製造されている。

 Gaudi 2と比較した場合、Gaudi 3はFP8演算で最大2倍、BF16演算で最大4倍の演算能力を備える他、ネットワーク帯域幅は2倍、メモリ帯域幅は1.5倍と全体的な処理の高速化が図られており、「生成AIに必要な学習プロセスをより高速に処理できる」という。

 この分野ではNVIDIAの「NVIDIA H100」が競合となるが、言語モデルの学習処理では平均40%、推論処理では平均50%高速に行えるという。

前世代 前世代との比較
NVIDIA H100 NVIDIA H100と比較しても、平均で40〜50%の高速化を図れるという
LLM学習 言語モデルの学習処理速度の比較(H100を「1」とした場合の相対値)
LLM推論処理 言語モデルの推論処理速度の比較(H100を「1」とした場合の相対値)
推論ワッパ 消費電力当たりの推論処理能力(いわゆる「ワッパ」)も、基本的にH100よりも優れているという。ただし、入出力の条件によってはGaudi 3の方が若干苦しい場面もあるようだ

提供形態は3種類

 冒頭で触れたとおり、Gaudi 3はOAM、ユニバーサルベースボード、PCI Expressカードの3形態で提供される。

OAMタイプ

 OAMタイプ(HL-325L)の主なスペックは以下の通りだ。

  • ピーク演算能力:1835TFLOPS(FP8演算時)
  • HBM2eメモリ:128GB(帯域幅は毎秒3.7TB)
  • MMX(Matrix Multiplication Engines):8基
  • NIC(ネットワークインタフェース):200GbE×24ポート
  • 双方向ネットワーク:毎秒1.2TB
カードタイプ OAMタイプ(HL-325L)の主なスペック

ユニバーサルベースボードタイプ

 OAMを8基搭載するユニバーサルベースボードタイプ(HLB-325)の主なスペックは以下の通りで、基本的にはOAM単体の8倍の性能となっている。

  • ピーク演算能力:14.6PFLOPS(FP8演算時)
  • HBM2eメモリ:約1TB(帯域幅は毎秒29.6TB)
  • MMX(Matrix Multiplication Engines):64基
  • NIC(ネットワークインタフェース):200GbE×192ポート
  • 双方向ネットワーク:毎秒9.6TB
ボードタイプ ユニバーサルベースボードタイプ(HLB-325)の主なスペック

PCI Expressカードタイプ

 PCI Expressカードタイプ(HL-338)の主なスペックは以下の通りだ。

  • ピーク演算能力:1835TFLOPS(FP8演算時)
  • HBM2eメモリ:128GB
  • MMX(Matrix Multiplication Engines):8基
  • NIC(ネットワークインタフェース):200GbE×24ポート
  • カードサイズ:2スロット厚/10.5インチ長
PCIe PCI Expressカードタイプの主なスペック

クラウド経由でGaudiを利用できるようにする取り組みも

 Gaudi 3のリリースに合わせて、Intelは開発者向けクラウドサービス「Intel Developer Cloud」においてGaudi 2ベースのインスタンスを開設した。

 2024年下期をめどにGaudi 3のインスタンスも開設される見通しで、同社は「Gaudi 2ベースでソフトウェアを開発して、シームレスにGaudi 3へと移行しよう」と呼びかけている。

クラウド越し Intel Developer CloudでGaudi 2を利用できるインスタンスを開設し、追ってGaudi 3のインスタンスも用意するという

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