デル・テクノロジーズは4月10日、中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する基盤「DXイノベーションコネクト」の提供を開始した。大学/研究機関の持つ学術的知見を生かして中小企業のDXを進めることを意図しており、開始当初は奈良先端科学技術大学院大学(NAIST:奈良県生駒市)や、同大学発のベンチャー企業であるdTosh(京都府精華町)と連携して5つのプログラムを提供する。
4月10日に開催された発表会に登壇した、左からデル・テクノロジーズの木村佳博氏(西日本副支社長兼西日本営業部長)、同社の中野史紀執行役員(広域営業統括本部長)、NAISTの安本慶一氏(情報科学領域長)、同社の諸原裕二常務(公共営業統括本部長兼データセンターソリューションズ事業統括本部長)
DXイノベーションコネクトでは、大きく以下の5つのプログラムを提供する。
- DX Learning Community
- DXを推進する上で必要なデータ分析/戦略立案を支援するコミュニティプログラム
- 社内に分析/立案を行うための人材がいない企業向けに提供
- ハンズオンとグループワークを実施
- 参加費は無料
- ゼロタッチ タスク
- RPA(Robotic Process Automation)による業務の自動化を推進
- RPAを導入したいが何をどうすればいいのか分からない企業向けに提供
- Windows 11の「Power Automate for desktop」を使ってRPAを構築するための手順を作成/提供する
- ローカル生成AIパッケージ
- 企業オリジナルの「ローカルAI」を利用するためのパッケージを提供
- 基本的に「Microsoft Azure Open AI」ベースで提供(「Llama2」ベースの完全オンプレミスオプションも用意)
- 企業固有の業務情報をベースに「問い合わせ解決サポート」「顧客の問い合わせの自動応答」「取引履歴や顧客の嗜好(しこう)に合わせたリコメンデーションサービス」など、生成AIを活用したサービスを提供
- DXワークショップ
- DXを進める際の要件定義を行う方法を学べるワークショッププログラム
- 「知的資産経営メソッド」に基づき、専門家が半日をかけて要件を策定する
- DXエンジニア養成講座
- 自社のサービスや製品にAIを組み込みたい企業向けのプログラミング講座
- 「Python」を使ってビッグデータの整形/解析/マイニングと機械学習モデルの構築/評価の方法を学習可能
- オンラインでの実施で、参加費無料
デル・テクノロジーズは、プログラムの参加者(中小企業)と大学/研究機関を“仲介”することで、中小企業におけるDX推進と、大学/研究機関の研究実証/共同研究パートナー探しの両方を支援する。仲介の舞台となるマッチングサイトの運営は、dToshが行う。
DXイノベーションコネクトの全体像
参加を希望する企業は、自社の課題と合った研究機関を選んで申し込む必要がある
選ぶべき研究機関は、自社の課題(興味)から絞りこむことができる
プログラムの1つである「ローカル生成AIパッケージ」は、Azure Open AIを使って業務効率化を図るプログラムだ。dToshと連携して提供される
一定の初期予算を確保できる企業には、ハードウェア(Ubuntuを導入したPower Edge/Precision)をローカルに置く完全オンプレミスパッケージも用意されている。Llama2を用いて生成AI環境を構築することも特徴で、日本AIコンサルティングとの協業で提供される
ローカル生成AIパッケージの他、自社で生成AIを構築したい企業に対する支援プログラム(DXエンジニア養成講座)と、PowerEdge XEサーバをセットで提供するソリューションも用意されている
デル・テクノロジーズは、なぜDXイノベーションコネクトを提供することになったのだろうか。
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