ではまとめていきましょう
気に入った点
難点になりうる点
Wacom Movink 13は、薄型軽量で極めて持ち運びに適した液タブです。単に運びやすいだけでなく、ビルドクオリティーや性能の多くが所有欲や出先で使う喜びを満たすものになっており、持ち主の満足感を高めます。これまで仰々しい上位モデルに限られていたPro Pen 3が利用できるようになった、初めての気軽なモバイル寄りのモデルという意味も大きいです。
また、同社のプロ向け機材としてはリーズナブルな価格設定になっています。それでも安価なデバイスではないですが、ペンやタッチ対応の高品質なモバイルディスプレイとしての使い勝手があり、学習やビジネス用途などまで利用機会を高められることを考えると、クリエイティブ分野のプロ以外でも価格が折り合うケースが多いと言えるでしょう。
一方で、ピクセル密度の大きいデバイスが当たり前になりつつある現在、フルHDの解像度は陳腐化しつつあり、長期的な満足度に影を落とすおそれがあります。モバイル用途では解像度を上げすぎないメリットは多く、現実的な選択とも言えますが、格好良くてロマンを感じる点が多い本機においては、現実に引き戻されてロマンが霧散してしまう悩ましい点です。
また、有機ELの特性上、漫画制作などでは液晶よりも偽色が気になる場合があります。白黒のシャープなブラシで主に作業する見込みがある場合は、液晶のモデルと見比べてから検討するのが良いでしょう。
といったところで……。
いやー、買ったら絶対に「ちょっとこれ持ってみてよ」ってやりたくなる製品です。文章で数字を書いても軽さは感じ取れないので、機会があればワコムブランドストア新宿で実機を持ってみてください(本機は現状、店頭では販売されていません)。純正オプションのスタンドやケースのセットも含めて、なかなかの世界観だと感じ取れると思いますよ。
ワコムの有機ELペンタブで快適手書きメモライフ! 絵描きではないビジネスパーソンが「Wacom Movink 13」を試したら
ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ
「Wacom One 液晶ペンタブレット 13 touch」は実質Cintiq Proか!? プロイラストレーターが試す
究極の液タブは55万円! ワコムの新モデル「Cintiq Pro 27」をプロ絵師がレビュー
「究極の液タブ」は小型化しても究極のまま? ワコムの「Cintiq Pro 17」をプロ絵師がレビューCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.