本機は側面に2つの物理キーと、表面に2つのタッチキーがあります。そして、タッチとペンで直接ディスプレイ設定を変更できるOSDが実装されています。
これはイマドキのモバイルディスプレイ的な仕様で、反応もよいので必要に応じてサッと設定を変更できて便利です。運搬して利用する機会が多いのを考えると、輝度の設定がメニュー最上位に出ているのも好印象ですね。
ドライバのファンクションキーとしては上記のうち3つまでを利用でき、残りの側面キー最低1つが、OSD呼び出し用になります。
これまであまり触れてきませんでしたが、ワコムはAndroid端末での利用に以前から取り組んでいて、本機もAndroid端末とChromebookに対応しています(Movinkはページの下の方にあります)。
手元の端末の中では、スマホではないですが「Galaxy Tab S8+」が動作しました。アプリやドライバなどの導入は不要で、接続しただけで表示されてペンも使えるようになり、タッチ操作も含めて13型のAndroid端末のような感覚で操作できます。
セルシスの「CLIP STUDIO PAINT」はフル機能のAndroid版もあるので、最近の高性能なスマホと本機を合わせれば、業務レベルの手の込んだ制作までが見えてきそうで夢がありますね。
さて、接続をPCに戻して実際にそれぞれの工程で利用してみましたが、やはり描きやすいです。線画の工程で懸念だったドット感は、自分が使う鉛筆系のブラシではさして気になることはなく、特に手を動かしている間は気にする余裕はありません。
13型フルHDといえばCintiq Pro 27とだいたい同じピクセル密度で、実用上問題がある仕様というわけでもありません。そして彩色から仕上げでは、フルHDは遅くないPCで使ったとしても4K(3840×2160ピクセル)よりサクサク感が向上するので、作業中の気分は悪くないです。
全体として、普段使っている「Cintiq Pro 17」よりも若干ツルツルした描き味なの以外は、ほとんど違和感なく作業できました。ドット感が気になる瞬間は正直ありますが、イラスト自体よりもアプリの文字を見ているときが主でした。
そして特に印象的だったのが、リラックスした姿勢でも作業できてしまうことです。
本機がめちゃくちゃに軽いので、ポンと手に取り、椅子にもたれて、足を組んだモモの上でスルスルと落書き、みたいな動作を自然にしてしまい、上位機だからガチ作業だろうと思っていた自分としては意外で、楽しくもありました。
ワコムの有機ELペンタブで快適手書きメモライフ! 絵描きではないビジネスパーソンが「Wacom Movink 13」を試したら
ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ
「Wacom One 液晶ペンタブレット 13 touch」は実質Cintiq Proか!? プロイラストレーターが試す
究極の液タブは55万円! ワコムの新モデル「Cintiq Pro 27」をプロ絵師がレビュー
「究極の液タブ」は小型化しても究極のまま? ワコムの「Cintiq Pro 17」をプロ絵師がレビューCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.