くもん出版のブースでは、同社から出版されている「IchigoJamでできるテキストプログラミングの授業」の著者である松田孝氏による「IchigoJam BASIC」の実演や、同社が販売しているプログラミング教材「マタタ プロセット」のデモが行われていた。
松田孝氏は、Scratchなどをいち早く小学校の授業に取り入れたことで有名な元小学校校長だ。2019年に校長をやめた後、MAZDA Incredible Labを設立。ICTによる教育革命を目指してさまざまな活動を行っている。
IchigoJamは、もともとjig.jpの福野泰介社長が開発した低価格な教育向けシングルボードコンピューターで、IchigoJam BASICと呼ばれるBASICが動作する。現在はIchigoJam BASICをWebブラウザ上で動かせる「IchigoJam web」というサイトが公開されているため、IchigoJamの実機がなくてもIchigoJam BASICを利用したプログラミング学習が可能だ。
松田氏は、BASICの利点を説明しながら、実際のプログラミング授業の流れなどを解説した。
マタタ プロセットは、4歳から遊んで学べるプログラミング教材だ。ロボットに指示を出すためのカラフルなブロックと、手のひらサイズのかわいいロボット、ブロックを並べるためのボードから構成されている。
最後に、STEAM教材とは少し違うが、面白い教材が展示されていたので紹介する。その教材とは、SMBCコンシューマーファイナンス(SMBCCF)のブースに展示されていた「クエスト・オブ・ファイナンス」だ。
クエスト・オブ・ファイナンスは、SMBCCFの社会貢献の一環として開発された「教育用マインクラフト(Minecraft Education)」のコンテンツだ。遊びながら金融に関するリテラシーを学ぶことができるというもので、無料で利用できる。
クエスト・オブ・ファイナンスの開発には、マインクラフトを通して英語教育を行っている立命館小学校の正頭英和教諭と、日本初のプロマインクラフターであるタツナミシュウイチ氏、「リアル脱出ゲーム」の開発元でも知られるSCRAPが協力している。
クエスト・オブ・ファイナンスの目的は、元手を使って大きな利益を得ることだ。プレイヤーの生徒には、新聞を模した教材が与えられる。この新聞には、お金を稼ぐためのさまざまなヒントが載っている。
ゲーム内での出来事は現実世界とリンクしており、例えばゲーム内で「絶対もうかる」と怪しいことをいっている人の話を真に受けると、大損してしまう。また、知識に投資することで、将来的により大きな利益を得ることができるなど、ゴールを目指して遊ぶことで自然に金融リテラシーを学べるようになっている。
作り込まれた素晴らしいコンテンツであり、教育用マインクラフトを導入している学校は、是非利用してみてはいかがだろうか。
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