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STEAM教育ってどうなの? マイクラで金融教育?「EDIX 東京 2024」で見た最新事情(3/3 ページ)

» 2024年05月22日 17時50分 公開
[石井英男ITmedia]
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くもん出版:幼児から学べるプログラミング教材を展示

 くもん出版のブースでは、同社から出版されている「IchigoJamでできるテキストプログラミングの授業」の著者である松田孝氏による「IchigoJam BASIC」の実演や、同社が販売しているプログラミング教材「マタタ プロセット」のデモが行われていた。

くもん出版 くもん出版のブース

 松田孝氏は、Scratchなどをいち早く小学校の授業に取り入れたことで有名な元小学校校長だ。2019年に校長をやめた後、MAZDA Incredible Labを設立。ICTによる教育革命を目指してさまざまな活動を行っている。

 IchigoJamは、もともとjig.jpの福野泰介社長が開発した低価格な教育向けシングルボードコンピューターで、IchigoJam BASICと呼ばれるBASICが動作する。現在はIchigoJam BASICをWebブラウザ上で動かせる「IchigoJam web」というサイトが公開されているため、IchigoJamの実機がなくてもIchigoJam BASICを利用したプログラミング学習が可能だ。

 松田氏は、BASICの利点を説明しながら、実際のプログラミング授業の流れなどを解説した。

松田氏によるデモ EDIXの会期中、松田孝氏は1日2回ずつIchigoJam BASICの実演を行っていた

 マタタ プロセットは、4歳から遊んで学べるプログラミング教材だ。ロボットに指示を出すためのカラフルなブロックと、手のひらサイズのかわいいロボット、ブロックを並べるためのボードから構成されている。

マタタ プロセット 4歳児からが対象のプログラミング教材「マタタ プロセット」
マタタ プロセットのデモンストレーション。左に並べたブロックを画像認識センサーが読み取り、Bluetooth経由でロボットに転送。ロボットがプログラム通りに動く

SMBCコンシューマーファイナンス:マイクラで金融リテラシーを学べるアプリを展示

 最後に、STEAM教材とは少し違うが、面白い教材が展示されていたので紹介する。その教材とは、SMBCコンシューマーファイナンス(SMBCCF)のブースに展示されていた「クエスト・オブ・ファイナンス」だ。

SMBCCFのブース SMBCコンシューマーファイナンスは、その名の通り三井住友フィナンシャルグループに属する消費者金融/保証業者だ。旧商号は「プロミス」で、現在もプロミスブランドで消費者金融サービスを行っている

 クエスト・オブ・ファイナンスは、SMBCCFの社会貢献の一環として開発された「教育用マインクラフト(Minecraft Education)」のコンテンツだ。遊びながら金融に関するリテラシーを学ぶことができるというもので、無料で利用できる。

 クエスト・オブ・ファイナンスの開発には、マインクラフトを通して英語教育を行っている立命館小学校の正頭英和教諭と、日本初のプロマインクラフターであるタツナミシュウイチ氏、「リアル脱出ゲーム」の開発元でも知られるSCRAPが協力している。

 クエスト・オブ・ファイナンスの目的は、元手を使って大きな利益を得ることだ。プレイヤーの生徒には、新聞を模した教材が与えられる。この新聞には、お金を稼ぐためのさまざまなヒントが載っている。

 ゲーム内での出来事は現実世界とリンクしており、例えばゲーム内で「絶対もうかる」と怪しいことをいっている人の話を真に受けると、大損してしまう。また、知識に投資することで、将来的により大きな利益を得ることができるなど、ゴールを目指して遊ぶことで自然に金融リテラシーを学べるようになっている。

 作り込まれた素晴らしいコンテンツであり、教育用マインクラフトを導入している学校は、是非利用してみてはいかがだろうか。

勇者新聞 手前中央が、本コンテンツの導入教材となる「勇者新聞」。手前右が、プレイし終えた後に使う「解説の書」だ
村を探索 勇者新聞に掲載されている地図を見ながら村を探索する
名前からしてあやしい 名前からして怪しい村人から「絶対に儲かるからコインをよこせ」という話を持ちかけられた場面
講演会も 5月9日には「クエスト・オブ・ファイナンス」を監修した正頭英和教諭によるセミナーも開催された
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