ハードウェア製品は、家庭(自宅)で学習できるようハイスペックなものを取りそろえている。具体的にはAI TOPの名を冠するマザーボード/グラフィックスカード/SSD/電源が登場する。
いずれも、電力効率を重視した他、学習作業に耐えうる高耐久性、アップグレード(パーツの交換/増設)のしやすさや組み立てやすさを重視しているという。
【マザーボード】
マザーボードは、AMDのRyzen Threadripper 7000シリーズに対応する「TRX50 AI TOP」と、Intelの第5世代Xeonプロセッサ(開発コード名:Sapphire Rapids)に対応する「W790 AI TOP」の2製品が登場する。
TRX50 AI TOPは、その名の通りAMD TRX50チップセットを搭載しており、最大4枚のグラフィックスカード、最大2TBのDDR5 RDIMMメモリ、最大4枚のM.2 SSD(RAID0対応)を搭載できることが特徴だ。10GBASE-T規格対応の有線LANポートも2基備える。
W790 AI TOPも、その名の通りIntel W790チップセットを搭載しており、最大4枚のグラフィックスカード、最大2TBのDDR5 RDIMMメモリ、最大6枚のM.2 SSD(4スロットがPCI Express 5.0、2スロットがPCI Express 4.0規格)を搭載できる。2基のThunderbolt 4(USB4)ポートも備える。
【グラフィックスカード】
グラフィックスカードはAI処理のワークロードに合わせて以下の3種類の製品が用意されている。いずれも最大4枚取り付けることを想定して後方排気設計となっていることが特徴だ。
RTX 4070 Ti SUPER AI TOP 16Gは、GIGABYTEが自社設計したGeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載グラフィックスカードだ。ヒートシンクは全て銅製で、よく冷えるように配慮されているという
W7800 AI TOP 32GとW7900 AI TOP 48Gは、共にAMD純正カードがベースでGIGABYTEが自社生産している。純正カードとの大きな違いは、ファンにAI TOPロゴが付いていることにある。グラフィックスメモリの容量が求められるワークロードに最適だという【SSD】
生成AIでは、高速なデータの読み書きができるSSDも必要となる。そこでGIGABYTEは「AI TOP 100E」というPCI Express 4.0接続M.2 SSDを用意した。容量は1TBか2TBから選べる。
いずれの容量もコントローラーはPhison Electronics製で、同社がLLM(大規模言語モデル)での利用に最適化したハードウェア/ソフトウェアのハイブリッドソリューション「aiDAPTIV+(アイダプティブプラス)」に対応している。シーケンシャル(連続)の読み出し速度は最大毎秒7200MB、書き込み速度は最大毎秒6500MBとなる。
【電源】
生成AIを“本気で”動かすと、どうしても消費電力は大きくなる。そうなると電源もある程度大容量なものが求められる。
そこで用意された電源ユニットが「UD1600PM PGS AI TOP」だ。1つの家庭用コンセントから取れる電流量を踏まえて、その名の通り最大1600Wの出力に対応している。サーバ用電源で使われる高品質パーツを採用しており、電力効率が特に優れた電源にのみ与えられる「80 Plus Platinum認証」も取得している。
最大出力を考慮すると、これなら4基のグラフィックスカードを搭載するRyzen Threadripper/Xeonシステムでも稼働できそうだ。しかし、仮に日本に投入される場合、家庭用の100Vコンセントでは仕様上、最大出力が1500Wに抑えられる可能性もある(現時点では日本市場への投入は未定)。その場合、構成によっては1台で4基のグラフィックスカードを搭載するシステムに電源供給できるかどうか、微妙な情勢になるかもしれない。
使う生成AIモデル別のお勧めセット。安価な構成でも6499ドル(約101万4600円)ということに議論は分かれそうだが、確かに自動車を買うノリで考えれば一般家庭でも手が届かないわけではない。なお、最廉価以外の構成はプロシューマーや中小規模のビジネスや研究機関への導入を想定している3つ目の柱となるチューターは、その名の通り生成AIを利用する上で必要な情報をコーチングしてくれるチャットサービスだ。チューターの運用にも、AIが使われているという。
例えば「予算に応じたマシン構成を教えてほしい」「どうやってセットアップするの?」など、質問するとチャットで返してくれる。
家庭内で機械学習(マシーンラーニング)を行うかといわれると、個人的には今のところない。しかし、クラウド(サーバ)でやっていることがいずれ個人でもできるようになるなら「ちょっとやってみるか」という人は出てくるだろう。
そういう先を見据えて、個人でも導入しやすい(導入できうる)環境を提供するのがAI TOPという取り組みだ。名前通り「AIにおけるトップ」を目指す、GIGABYTEなりの宣言ともいえる。
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