GPUの「レイトレーシング処理」改良の歴史をひもとく【GeForce RTX 30シリーズ編】レイトレーシングが変えるゲームグラフィックス(第5回)(2/4 ページ)

» 2024年07月12日 17時00分 公開
[西川善司ITmedia]
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「GeForce RTX 30シリーズ」はどのくらい改良されたのか?

 2018年のGeForce RTX 20シリーズ(開発コード名:Turing)によって、ハードウェアベースのリアルタイムレイトレーシングの“扉”を開いたNVIDIA。その2年後の2020年、同社は新型GPU「GeForce RTX 30シリーズ」(開発コード名:Ampere)を開発した。

GeForce RTX 3090 2020年に登場した「GeForce RTX 30シリーズ」

 GeForce RTX 20シリーズのトップモデル「NVIDIA TITAN RTX」(GeForce RTX 2080 Tiの上位機で、2019年発売)のプログラマブルシェーダーコアの総数は4608基で、その理論性能値は16.31TFLOPSだった。

 それに対して、GeForce RTX 30シリーズのトップモデル「GeForce RTX 3090 Ti」(2022年発売)は、ログラマブルシェーダーコアは1万752基で、理論性能値は40TFLOPSとなっている。

 ということは、先代比でプログラマブルシェーダーユニットの総数は約2.3倍、理論性能値は約2.5倍となっており、かなりの性能強化が果たされている。

 「なら、レイトレーシング性能も高くなっているのかな?」と考えてしまうのだが、プログラマブルシェーダーユニットの強化ぶりとは裏腹に「それほどでもない」というのが正直なところだ。というのも、ハードウェアレイトレーシング処理を担う「RT(レイトレーシング)コア」の総数がわずか17%増(72基→84基)にとどまっているからだ。

GeForce RTX 3080のブロック GeForce RTX 3080のブロックダイヤグラム
GeForce RTX 3090 Tiのブロック GeForce RTX 3090 Tiのブロックダイヤグラム

 しかし、GeForce RTX 30シリーズをリリースした当時、NVIDIAは「RTコアの性能は、先代比で2倍に向上した」とアピールしていた。これはどういうことなのだろうか?

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