日本HPの「Envy x360 Laptop 14-fc(インテル)」は、Core Ultra シリーズ1(開発コード名:Meteor Lake)を搭載した14型のモバイルPCだ。同社が「AI PC」とうたうモデルだけにスペックは充実しており、最新モデルらしい仕上がりとなっている。
第1回は、業務利用で使い込んでいるNECパーソナルコンピュータのモバイルPC「LAVIE NEXTREME Carbon」(PC-XC950DAG)とのリプレースまでを触れたが、今回は実戦投入をすることで、見えてきたメリットに触れたい。
コロナ禍を経て、業務で利用するノートPCに求められるポイントは大きく変わった。とはいえ、基本となるパフォーマンスやバッテリー駆動時間、使いやすさは従来通り優先順位は高い。
その点、Envy x360 Laptop 14は下表のように充実している。公称のバッテリー駆動時間がLAVIE NEXTREME Carbonの半分以下ではないかと思う人がいるかもしれないが、これは計測方法が全く異なるためだ。
実際のビジネス用途とはかけ離れたJEITAバッテリ動作時間測定法に比べ、MobileMark 25の方が実時間に近い。この辺りは、今後の連載で触れたい。
| モデル名 | Envy x360 Laptop 14 | LAVIE NEXTREME Carbon |
|---|---|---|
| CPU | Core Ultra 7 155U(12コア/14スレッド/最大4.8GHz) | Core i7-1195G7(4コア8スレッド/最大5.0GHz) |
| メモリ | 32GB(LPDDR5) | 16GB(LPDDR4X) |
| ストレージ | 1TB SSD(PCI Express 4.0接続) | 512GB SSD(PCI Express 4.0接続) |
| GPU | Intel Graphics(CPU内蔵) | Intel Iris Xe Graphics eligible(CPU内蔵) |
| ディスプレイ | 14型有機EL | 14型IPS液晶 |
| 画面解像度 | 2880×1800ピクセル | 1920×1200ピクセル |
| Webカメラ | 約500万画素(Windows Hello対応) | 約200万画素(Windows Hello対応) |
| 無線通信 | Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax) | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) |
| ボディーサイズ | 約313(幅)×218(奥行き)×16.9(厚さ)mm | 約313(幅)×218(奥行き)×17.5(厚さ)mm |
| 重量 | 約1,39kg | 約937g |
| バッテリー駆動時間 | 約10時間30分(MobileMark 25) | 24時間(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0) |
| OS | Windows 11 Home(バージョン23H2) | Windows 11 Home |
| 価格 | 26万4000円 | 28万円前後(発表当時) |
仕事柄、使用するPCのリプレースや追加は日常茶飯事のため、仕事に必要なデータはクラウド側にあり、ローカルの環境設定はそれほど必要としない。Microsoft アカウントのひも付けなどを行えば、実アプリ(Microsoft OfficeやPhotoshop、秀丸など)のインストールだけで済む。
とはいえ、ここ2年ほどガッツリと使い込んだLAVIE NEXTREME Carbonからの移行だけに、慣れ親しんだ体がどこまで新しい環境に慣れるかは、使って見ないと分からない部分も多い。
LAVIE NEXTREME Carbonは2年以上も使い込んだだけあり、液晶ディスプレイの天面には無数の傷跡が刻まれている。しかし、計8項目の「MIL-STD-810H」に準拠しているだけに耐衝撃性能と耐環境性能は確かに申し分なかったとはいえ、どちらも「Intel Evoプラットフォーム」に準拠したモバイルPCだけに、スリープからの復帰やバッテリーの駆動時間、高速な無線LANやThunderboltのサポートなど軽快なレスポンスを得られる。
搭載CPUや投入されるタイミングで認証の内容やシールが異なるが、LAVIE NEXTREME Carbonは第11世代Coreとともに発表されたもので、一方のEnvy x360 Laptop 14は最新のものとなる。
2つのモデルを持ち比べて最初に分かるのが、その重さだ。ボディーサイズはほとんど変わりがないものの、LAVIE NEXTREME Carbonは1kg切りで実測値も924gと公称値より軽いのに対し、Envy x360 Laptop 14は公称値の約1390gよりも軽いとはいえ1369gと、片手で持つとズシリとくる。
PCの持ち歩きは1gでも身軽でいたい筆者として、この1.5倍近い445gの増加は非常に悩ましい。これを覆すだけの要素がEnvy x360 Laptop 14にあるのだろうか。
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