会場を入ってすぐのところは展示コーナーとなっていた。今回の展示の特徴は、HHKBのさまざまなシリーズを集めたものというより、いかにカスタマイズできるかの提案と、能登半島地震復興に関するものであった。
正面には初代輪島塗HHKBであるHHKB Professional HG/HG JAPANと、Makuakeでキャンペーンを行った能登半島地震復興応援 Re:Japanモデルを展示して、違いを確認したり、漆塗りのキートップの感触を確かめたりすることができた。
「これが132万円のキーボードですよ。触れますよ」とスタッフに案内されると、すぐに人だかりができていた。筆者も「こ、これが132万円の手触り……!」と堪能することができた。
HHKB Studioキートップの3Dデータを公開したことにより、カスタマイズしやすくなった。輪島塗キーボードと同じ展示台にはDMM.makeで社員が作成したキートップの数々が並んでいた。ヒョウ柄のもの、レインボーカラーのもの、クリアアクリルで作成したもの、アルミやステンレスで作成したものなどだ。
なお、ステンレスキートップは重さがあるため、特にスペースキーではキースイッチがキートップを支えきれず、常にスペースを入力し続けるという欠点があったという。自作する場合は、素材にも注意が必要だろう。
広島の松葉製作所は、既存のパームレストなどの他、開発中のキートップセットも展示していた。Enterキー、Shiftキー、Escキーなどキートップの一部をカスタマイズできるもので、プラモデルのようにランナーから切り取ってミツロウのワックスがけを行い育てていくものと、はめ込むだけで良い状態に仕上げたものを制作予定だという。
展示していたのはウォールナット、ブラックチェリー、黒壇であったが、要望に応じて、他に適した樹種が見つかれば別の素材でも製作するとのことだ。
バード電子では、HHKB Studio向け尊師スタイルユーザー御用達の「キーボードブリッジ」や、HHKB Studio向け「キーボードルーフ」などを展示していた。HHKB Studioの奥行きに合わせたサイズのキーボードブリッジや、雪モデルにぴったりな「フリーザー」カラーをすぐさま販売するなど、その開発スピードに驚かされる。
ファーイーストガジェットでも尊師スタイルを実現するアクセサリーを展示していたが、こちらのアプローチは「サイズの最小限化」である。2つ1組であることから、「タイプスティックス―#打ち箸」と名付けられている。その他、スマートフォンやタブレットをHHKB Studioに取り付けてラップトップPCのように使えるはめ込みスタンドも開発中ながら展示していた。これが販売されるようになれば、机のないセミナーイベントでも、膝の上で取材メモを取れそうだ。
2023年10月24日以前は「ユーザーがHHKBに合わせる」必要があった。しかし、HHKB Studioが登場した25日以降は「HHKBがユーザーに合わせる」ことができるようになった。
専用のキーマップ変更ツール、自作キートップやアクセサリーを使ってのカスタマイズなどの他、雪モデルというカラーバリエーションの追加により、ユーザー“が”使いやすいキーボードへと育てられるようになった。
4万4000円という価格を高いと思うか安いと思うか――熱意あるユーザーたちに支えられて大盛況のうちに終わったが、真剣に考えさせられるイベントであった。
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