もう1つ、E Inkにつきものの残像についてはどうだろうか。本製品は自動ゴースト除去技術を搭載しているが、実際に使った限りあまりピンと来なかった。従来モデルよりは緩和されているのかもしれないが、単体で見た場合は依然として残像は気になるレベルにある。
しかし、これらの対策はいくつかある。付属のユーティリティーでは、30秒以上ごとに自動リフレッシュする機能が用意されているが、そのたびに画面がオフになるかのような挙動で、集中力を削がれやすい。別のウィンドウにフォーカスが映るたびに画面を自動リフレッシュする機能も用意されているが、プライマリーディスプレイ上での操作にも反応してしまうので、こちらも非常に目障りだ。
残像がどうしても気になるならば、専用ユーティリティーでリフレッシュの速度を最も速い「Fast++++」に設定し、後は画面左の「C」ボタン、もしくはショートカットによる手動リフレッシュを行うのが最善だろう。この他、フロントライトの輝度を高くすることでも残像は目立たなくなる。
いずれにせよ、これら残像の除去については本製品が備えるモードや複数の機能を組み合わせつつ、自分が最も効果的と思える方法を探すことになる。これらは本体だけでの設定は困難で、ユーティリティーのインストールが不可避であることは認識しておきたい。
ちなみに、モノクロE Inkである本製品とカラーの液晶ディスプレイでは画面のコントラストが大きく異なることから、この両画面を行き来するマウスポインターはその位置を見失いやすい。これを回避したければ、Windowの設定からマウスのプロパティーを開き、「Ctrlキーを押すとポインタの位置を表示する」オプションをオンにするなど、OSの側で対策を取ることをお勧めする。
以上ざっと使ってみたが、従来であれば何らかの操作に対して画面の書き換えがワンテンポ遅れても「E Inkだし仕方ないか」で済ませていたのが、本製品では解消されており、それだけで「買い」といっていい。その分、もう1つの課題である残像が気になるという問題はあるが、テキスト入力のための最高峰の環境を構築するにはこの上ない製品だ。
ネックとなるのは14万8000円という実売価格だろう。E Ink電子ペーパーであることに価値を見出せる人にとっては問題ないだろうが、そうでない人にとっては、同等サイズの液晶ディスプレイの数倍はすることから、気軽に買える製品ではない。個人的にはタッチ機能を省いてコストを下げたモデルがあれば見てみたいところだ。
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