仕事柄、筆者はSSDを購入する機会が多い。そのため、自宅には暇を持て余したSSDも少なからずある。これを有効活用する手段の1つとして、外付けのM.2 SSDケースを購入し、データバックアップ用のストレージとして活用するという手がある。
従来のM.2 SSDケースはUSB 3.2 Gen 2規格(最大10Gbps)のものが多かったが、最近ではUSB4 Gen 3x2(最大40Gbps)対応の製品の選択肢も増えている。今回、USB4 Gen 3x2対応のM.2 SSDケースの1つとして、玄人志向(CFD販売)の「GWM.2AM-U4CC」(実売価格1万円前後)を購入してみたので、簡単にその所感を述べたい。
【追記:2月14日13時50分】Apple M2チップを搭載する「13インチMacBook Air」での計測結果を追記しました
GWM.2AM-U4CCは、組み立てに必要な工具(ネジ回し)も付属しているオールインワンタイプのM.2 SSDケースだ。手元にPCI Express接続のM.2 SSD(詳細は後述)さえあれば、すぐに組み立てられる。具体的な付属品は以下の通りとなる。
ネジ回しが付属しているのはもちろんだが、意外と紛失/破損しやすいSSD固定用品(ゴムとネジ)の予備が付属しているのは個人的にもポイントが高い。
一口に「M.2 SSDケース」といっても、M.2 SSDにはいろいろな規格/種類があるため、手持ちの(あるいはこれから購入する)SSDとケース側の要件はしっかりとそろえる必要がある。
今回レビューするGWM.2AM-U4CCは、以下の条件に“全て”合致するM.2 SSDで利用可能だ。
外付けM.2 SSDケース、特にPCI Express接続に対応するもので盲点になりやすいのが、M.2端子の形状だ。一部のケースはB&M-Key(端子の左右両側に切り欠きがあるタイプ)のSSDに非対応であることも多いのだが、本製品の場合はB&M-Keyでも利用できる。ただし、同じB&M-Keyを使っているSerial ATA(SATA)接続のM.2 SSDは使えないので注意したい。
USB4 Gen 3x2規格に対応するM.2 SSDケースの中には、USB4 Gen 3x2以外のUSB規格に対応しているかどうか明記されていないこともあり、「USB4非対応のPCで使えるのかな……」と不安になりがちだ。
その点、GWM.2AM-U4CCはパッケージに対応するUSB規格が明記されている。具体的には、以下のUSB規格で利用可能だ。
ということで、過去のUSB規格との互換性もバッチリだ。ただし、M.2 SSDは意外と消費電力が大きいこともあり、玄人志向では5V/3A(15W)の電力を供給できるUSB端子での利用を推奨している。規格通りの実装という前提に立つと、USB Type-C端子なら電力要件を満たせる一方、USB Standard-A端子では要件を満たせない可能性がある。
別途USB Standard-A to USB Type-Cケーブルを用意した上で、本製品をPCのUSB Standard-A端子につなぐ場合は、あらかじめ当該端子の給電能力を調べておくことをお勧めする。
本製品はUSB4規格のベースとなった「Thunderbolt 3」、そしてUSB4規格に完全準拠した「Thunderbolt 4」の両端子を備えるPCでも利用可能だ。本来、Thunderbolt 3/4端子に本製品をつなぐと最大40Gbps(理論値)での通信が可能……なのだが、Intel製CPU(または同社製Thunderboltコントローラー)を搭載するThunderbolt 3/4対応PCの一部において、本製品がUSB 3.2 Gen 2デバイスとして認識されてしまう事象が確認されている。具体的な対象CPU(Thunderboltコントローラー)は以下の通りだ。
上記のCPU/コントローラーを搭載するPCにおいて、USB4(またはThunderbolt 3/4)ケーブルを使っているにもかかわらず、本製品がUSB 3.2 Gen 2デバイスとして認識されてしまう場合は、「NVMファームウェア」を更新すると問題が解消する。ファームウェアの更新については、お使いのPCメーカーに問い合わせてほしい。
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