GWM.2AM-U4CCの概要説明はこれくらいにして、早速組み立ててみようと思う。今回は、筆者のM.2 SSDコレクション(?)の中から、キオクシアのコンシューマー向けM.2 SSDの初号機「EXCERIA NVMe SSD」(PCI Express 3.0 x4接続)の1TBモデルを引っ張り出して、GWM.2AM-U4CCに組み込んでみることにした。
このSSDの公称スペックはシーケンシャル(連続)の読み出しが最大毎秒1700MB、書き込みが最大毎秒1600MBと、今どきのPCI Express 4.0 x4接続のM.2 SSDと比べるとだいぶ遅い。率直にいうと同規格のM.2 SSDと比べても遅めだが、Serial ATA接続のものと比べればだいぶ高速である。
今回の記事のために押し入れから引っ張り出してきた、EXCERIA NVMe SSDの1TBモデル。発売直後に購入して、以前使っていた「ThinkPad X1 Carbon(Gen 5)」(参考記事)に組み込んでかなりヘビーに使っていた組み込みの手順をざっくり説明すると以下の通りで、一般的なM.2 SSDケースとおおむね同様だ。
慣れた人であれば、パッケージを開けてから3分以内で作業は完了するだろう。
(※1)両面実装のM.2 SSDを利用する場合は貼り付け不可(放熱シートなしで利用する)
組み立て終わったところで、実際に使ってみよう。今回は手持ちのUSB4対応PCを代表して、レノボ・ジャパンの「ThinkPad X13 Gen 3(Intel)」と接続する。このノートPCには、2基のThunderbolt 4(USB4)端子を備えている。ケーブルは、ケース付属のものではなく、2000円で購入した住友電工製USB4ケーブルを用いた。
接続してみると、Windows 11上からしっかりとUSB4デバイスとして認識されていた。理論上は、EXCERIA NVMe SSD(1TB)のフルパフォーマンスを発揮できるはずである。
正常に接続できることを確認できたところで、SSDを「exFAT」で初期化し直した上で、「CrystalDiskMark 8.0.6」でアクセス速度を計測してみた。「なぜexFAT?」と思うかもしれないが、端的にいうとMac(macOS)でもこのSSDを使いたかったからである。
プロファイルを「NVMe」とした以外は標準設定のままで測ったところ、以下のような結果となった。
シーケンシャル性能を見ると、読み出しは公称値通りな一方、書き込みは公称値を少し下回っている。デバイスの取り外しに関する設定を変えればに近いパフォーマンスを発揮できると思われるが、時間の都合で設定を変えての再計測は行えなかった。
「USB4(Thunderbolt 3/4)ポート付きのMacでも使えるのか?」という点だが、本製品はmacOSでの動作もサポートしている。EXCERIA SSDを組み込んだ本製品をApple M2チップ搭載の「13インチMacBook Air」にUSB4ケーブルでつなげると、きちんとUSB4デバイスとして認識される。
ついでに、アクセス速度を「AmorphousDiskMark 4.0.1」で計測した結果、以下の通りとなった。
先のThinkPad X13 Gen 3(Intel)との結果と見比べると、シーケンシャル書き込みは少し遅くなってしまった反面、ランダム書き込みはかなり速くなった。macOSではリムーバブルストレージはアンマウント(取り出し)操作をして取り出すことを原則としているため、ランダム書き込みを高速化できたのだと思われる。
ひとまずEXCERIA NVMe SSD(1TB)で計測する限りにおいて、SSDをUSB4接続する意味はあることは分かった。時間の都合で他のM.2 SSDのアクセス速度は計測できなかったが、“宿題”として後日計測を行おうと思う。
特に写真や動画を大量に保管する場合、SSDをUSB4接続できることは大きなメリットとなりうる。従来はケースの価格も効果だったが、今回レビューしたGWM.2AM-U4CCのように実売で1万円を切る(こともある)製品もちらほら出現し始めた。
手持ちのM.2 SSDをポテンシャルを引き出しつつ生かす手段として、USB4接続のケースも選択肢の1つとなりそうだ。
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