ノート型のゲーミングPCに対し筆者が抱いていたネガティブなイメージの中に「熱問題」「動作音がうるさい」といったものがある。
どんなPCでも発熱するものだが、特にゲーミングノートPCともなれば、高性能なCPUとGPUを小型ボディーに詰め込むため、ゲームプレイ時に触れている手指が汗ばんでくるような不快な熱を帯びる製品も珍しくない。
実際、OMEN Transcend 14も熱くならないわけではないのだが、熱の逃げ道がしっかり考えられているのか、重たいベンチマークを動作させたり、試しにゲームを遊んでみたりしても、パームレストやキーボードに熱による不快さを感じることはなかった。
動作音も決して静かとは言い切れないものの、ノートPCに多い甲高い風切り音もかなり抑えられている。
実際にゲームをプレイするとなれば、それこそOMEN Transcend 14は付属しているゲーミングヘッドセット「HyperX Cloud III Wireless」を使うため、使用者自身が動作音を気にすることはまれかもしれないが、利用する場所によっては周囲にファンの音が迷惑でないかと気にすることも多いため、そうした心配が少ないのも「使い勝手がいい」といえる。
約1.63kgという重量も1kg前後のモデルが増えてきたモバイルノートよりは重いのだが、AppleのMacBook Airや、日本マイクロソフトのSurface Laptopといった人気のノートPCに、小さいペットボトルを一本加えた程度の重さなので、持ち運んでも意外と苦にならない。
サイズも14型のフットプリントなので、バックパックなどにも入れて持ち運びやすく、従来の2kg以上あった15型のゲーミングノートPCと比べ、普通のノートPCとして使えるだけの機動性もある。
バッテリーもPCMark10のベンチマークで計測したところ、オフィスソフト利用であれば6時間弱は持ったため、用途によってはスタミナも十分にあるといっていいだろう。
OMEN Transcend 14は、デスクトップPCでゲーミング性能をうたう製品に比べ性能では劣るのは事実だ。しかし、設置スペースの問題など「PCゲーム環境」に制限がある中では、デスクトップPCやディスプレイを並べて使うような本格的なゲーミング環境の構築は難しく、それであれば省スペースでも手軽にPCゲームを楽しめる環境を整える方が、使用者の満足度は高いのだろう。
熱や騒音といった、従来のゲーミングノートPCに抱いていたネガティブなイメージを払拭できる点も好印象だ。
ここまで書いてきた通り、OMEN Transcend 14はノートPCとして高い完成度に加え、ゲーミングPCとしても必要十分な性能や、不満や不安になる点を解消した、至極の1台だ。
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