「GeForce RTX 5070 Ti」は4K/ウルトラ設定でモンハンワイルズを快適にプレイできる? NVIDIAの新GPUを試すカードの寸法はよく確かめて(1/3 ページ)

» 2025年02月19日 23時00分 公開
[井上翔ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 NVIDIAの新型GPU「GeForce RTX 5070 Ti」を搭載するグラフィックスカードが2月20日に発売される。想定販売価格は14万8800円からとなる。

 同社の協力の下、ITmedia PC USERではGeForce RTX 50シリーズの最上位モデル「GeForce RTX 5090」と、その次点モデル「GeForce RTX 5080」の先行レビューを実施してきた。

 GeForce RTX 5080の先行レビューは、Intelのベアボーンキット「Intel NUC 13 Extreme Kit」に装着した2世代前のGPU(GeForce RTX 3080 Ti)と置き換えるという趣旨で実施したのだが、推奨電源容量に100W足りないという心もとない状態での運用を強いられてしまった。

 その点、さらに1ランク下のGeForce RTX 5070 Tiであれば消費電力は300Wで、推奨電源容量も750Wなので乗り換え祭にちょうどいい。そう考えていた折、NVIDIAから「GeForce RTX 5070 Tiも試してみないか?」とのお誘いを受けた。同社からPalit Microsystems製グラフィックスカード「GeForce RTX 5070 Ti GamingPro」のレビューキットを借用できたので、早速試してみよう。

GeForce RTX 5070 Ti GamingPro 今回レビューするPalit Microsystems製グラフィックスカード「GeForce RTX 5070 Ti GamingPro」のパッケージ

GeForce RTX 5070 Tiの概要

 GeForce RTX 5070 Tiは、GeForce RTX 50シリーズのミドルハイレンジモデルだ。位置付け的には「GeForce RTX 4070 Ti」の後継ということになるが、グラフィックスメモリが4GB増えて16GBとなったため、グラフィックスメモリを多用するゲームタイトルの快適なプレイはもちろん、ローカル実行されるAI(特に生成AI)の稼働パフォーマンス向上も期待できる。

 SoC(System On a Chip)は5080と同じ「GB203」で、TSMCの4nmプロセスで製造されている。主なスペックは以下の通りだ。

  • GPUアーキテクチャ:Blackwell
  • CUDAコア:8960基
  • Tensorコア:第5世代
    • ピーク処理性能:1406 AI TOPS(1秒当たり1406兆回の処理が可能)
  • レイトレーシング(RT)コア:第4世代
    • ピーク処理性能:133 TFLOPS
  • 動作クロック(定格):2.3GHz〜2.45GHz
  • グラフィックスメモリ:16GB(GDDR7/192bit)
  • 最大出力解像度:4K(3840×2160ピクセル)/480Hzまたは8K(7680×4320ピクセル)/120Hz(※1)
  • 接続バス:PCI Express 5.0 x16(PCI Express 4.0互換)
  • 消費電力:300W(推奨電源容量:750W)

(※1)DSC(データ圧縮)を利用した場合

 同一SoCを用いる5080を少しスペックダウンしたような感じとなっているが、4070 Tiと比べるとCUDAコアの基数は約1.17倍、Tensorコアのピーク性能は約2.2倍、RTコアのピーク性能は約1.84倍と着実に性能は向上している。

 一方で、消費電力は5080比で60W減、4070 Ti比で15W増となっている。5080よりも60W少ない電力で稼働するという事実はとても重要で、推奨電源容量は先述の通り750Wとなり、GPU補助電源も「8ピン×2」相当で済む。

変換アダプター 今回レビューするGeForce RTX 5070 Ti GamingProには、NVIDIA純正の8ピン×2変換アダプターが付属していた

GeForce RTX 5070 Ti GamingProの特徴

 GeForce RTX 50シリーズの中で、GeForce RTX 5070 Tiには唯一NVIDIA純正のグラフィックスカード「Founders Edition」が存在しない。そのため、全てのグラフィックスカードはパートナー企業を通して提供される。

 今回レビューするGeForce RTX 5070 Ti GamingProは、先述の通りPalit Microsystems製だ。同社製のグラフィックスカードは、日本ではサードウェーブのPCショップ「ドスパラ」でのみ販売されている。

 一般的に、GPUのオーバークロック(定格クロックを超える稼働)をサポートするモデルには製品名に「OC」が付くが、本製品には付いていない。つまり、本製品は定格クロック(2.3GHz〜2.45GHz)で動作する。Palit Microsystemsの製品一覧によると、本製品版のオーバークロック対応版(GeForce RTX 5070 Ti GamingPro OC)もラインアップには用意されているようだが、日本では定格版を売るのかオーバークロック対応版を売るのか(はたまた併売するのか)という情報は手元に届いていない。

 カードの具体的なサイズは、約127.1(幅)×331.9(長さ)×60(厚さ)mmだ。厚さは3スロット分あるが、ケースにはめ込むブラケットは2スロット分となる。先日レビューした「GeForce RTX 5080 Founders Edition」と比べると大きく感じる。中でも、カード長はそれなりにあるので頭にとどめておいてほしい。

 冷却ファンは3連構成で、背面には金属製のバックプレートを備える。バックプレートをよく見てみると「P」「S」と書かれたスイッチがある。これはビデオBIOSの切り替えスイッチで、「P」にするとパフォーマンス優先モードに、「S」にすると静粛性優先モードに切り替わる(標準ではPモード)。

 本製品はカードの下方から吸気し、上方から排気する構成となっている。

外観 GeForce RTX 5070 Ti GamingProは3連ファンを装備している。長さは約331.9mmだ
付属品 先に紹介したNVIDIA純正の8ピン×2のGPU補助電源アダプターの他、Palit独自の付属品として横長のマウスパッド、問い合わせ先URL(2次元コード)カードが付属する

 映像出力端子は、標準仕様の通りHDMI 2.1b×1とDisplayPort 2.1b×3を備えている。先述の通りカードのブラケットは2スロット分だが、冷却機構が厚いため実装するには3スロット分の空間が必要だ。

 GPU補助電源は新規格の「16ピン(12V2x6)×1」という構成で、先述の通り旧規格の8ピン×2への変換アダプターも付属する。

ブラケット ブラケットは2スロット分だが、ファンを含む冷却機構が厚いため実装には3スロット分の空きを要する。映像出力端子は標準仕様通りだ
補助電源ピン GPU補助電源は16ピン(12V2x6)×1構成で、少し奥まった所にある
背面 カード背面には金属製のバックプレートが備わる。右下にビデオBIOSの切り替えスイッチがある
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー