「モンスターハンターワイルズ」を快適にプレイしたい! 2025年のゲームタイトルを快適にプレイするためのグラフィックスカード選び(1/3 ページ)

» 2025年02月25日 11時00分 公開
[西川善司ITmedia]
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 理論性能は良いはずなのに、大作(AAA)PCゲームタイトルをプレイすると力不足を感じる――先日、そんなグラフィックスカード(GPU)が存在する理由を解説する記事を載せた。

 前回の記事で解説したことをザックリ振り返ると、以下の通りだ。

  • 最近のゲームグラフィックスは単にピーク時の演算性能(TFLOPS)が高いだけでは処理面で厳しい
  • GPUのグラフィックスメモリの「容量」と「帯域幅」も重要
  • 昨今、そしてこれからのAAAゲームを楽しむには少なくとも12GBのグラフィックスメモリ毎秒400GBのメモリ帯域幅があると望ましい

 後編となる本稿では、2025年2月時点において上記の要件を満たせるグラフィックスカードを紹介しつつ、2025年の注目ゲームタイトルとなっているカプコンの「モンスターハンターワイルズ」のベンチマークテストでいくつかのグラフィックスカードをテストしてみようと思う。

モンハン向きのGPUとは? 「モンスターハンターワイルズ」を満足に動かせるグラフィックスカード(GPU)とは?

もう一度「必要なGPUのスペック」をまとめよう

 GPUは理論性能値が全てではない……とはいうものの、演算性能が低すぎては本末転倒でもある。2025年のPCゲーミングにおいて、それなりの品質でプレイしたいということであれば、ピーク時の演算性能はPlayStation 5の約10TFLOPSは超えておきたいし、理想をいえばPlayStation 5 Proの16.7TFLOPSを超えれば万々歳だ。

 ということで、これからのAAAタイトルを楽しために必要なグラフィックスカードの性能をもう一度まとめると、以下の通りとなる。

  • ピーク時の理論性能は10TFLOPS以上で、16.7TFLOPS以上あればなお良し
  • グラフィックスメモリ容量は少なくとも12GBで、16GB以上あれば当面安泰
  • グラフィックスメモリの帯域幅は少なくとも毎秒400GB以上で、毎秒500GB以上なら強い

 これを踏まえて、入手困難なモデルや3月以降に発売されるものを除いて、現状で手に入るグラフィックスカードをGPUメーカーごとに一覧にしたものが下表となる。

GeForce NVIDIA「GeForce RTXシリーズ」で要件を満たすグラフィックスカード
Radeon RX AMD「Radeon RXシリーズ」で要件を満たすグラフィックスカード
Arc Intel「Arc Graphicsシリーズ」で要件を満たすグラフィックスカード

 記事掲載時点(2月24日現在)だと、GeForce RTX 50シリーズは売り切れか、異常なまでの“初物価格”が付いているようだ。一方、旧版となったGeForce RTX 40シリーズは最上位の「GeForce RTX 4090」はかなり高騰しており、「GeForce RTX 4070」「GeForce RTX 4080」までは、2024年末と比べると少し値上がりしているようだ。

 AMDのRadeon RXシリーズは最新の「Radeon RX 9000シリーズ」が正式発表前のため、Radeon RX 6000/7000シリーズからピックアップした。ハイエンドモデルも含めて、価格は2024年末時点に近い価格となっている。ある意味でのお買い得感はある。

 そしてIntel Arc Graphicsシリーズは、グラフィックスメモリの容量が8GBのモデルが多く、「12GB以上」を満たすものが2モデルしか存在しない。最新モデルはBシリーズなのだが、「Arc B770 Graphics」の登場が未定のため、市場に存在する上位モデルは旧モデルの「Arc A770 Graphics」しか存在しない。その関係で、旧モデルであるはずのA770 Graphicsの方が新モデルよりも理論性能が高く、グラフィックスメモリの容量も多いので、予想外にコスパは良さそうである。

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