PCで重たい作業はゲームだけではない。重たい作業の代名詞といえば動画編集だ。
動画編集の快適さもGPUによる恩恵は大きく、例えば書き出しにかかる時間の短縮や、書き出し中、他の作業を行う余裕も「GPUがあればこそ」だ。
そこで今回は「Adobe Premier Pro」で4K動画のエンコードに要する時間を比較してみよう。今回は「GoPro HERO 10」を使って撮影した数本の4K動画を30分ほどにまとめて書き出すのに要した時間を比較した。結果は以下の通りだ。
Radeon RX 7900 XT/7900 XTXをレビューした時も「速いなぁ」とビックリしたのだが、Radeon RX 9070/9070 XTはさらに高速になっている。エンコード状況を示すプログレスバーがものすごい勢いで進むため、「本当にエンコードできてるの?」と疑ってしまったほどだ。もちろん書き出された動画もちゃんと再生できた。
より長尺かつ手の込んだ編集を行っている場合、この差は縮まるかもしれないが、それでも「エンコードという待ち時間」を今までよりも圧縮可能なのは、作業効率の向上に貢献してくれる。クリエイター向けのGPUとしても十分に期待できる性能があるといっていいだろう。
Radeon RX 9000シリーズの第1弾として登場するRadeon RX 9070/9070 XTだが、待ち望んだファンの期待を裏切らない、堅実かつ現実的な性能向上を果たした優秀なGPUだった。
消費電力も今回のベンチマーク環境では、システム全体でアイドル時に85W、3DMarkの「Time Spy Extreme」を実行中のピーク時で、Radeon RX 9070は471W、Radeon RX 9070 XTは588Wと、既存PCのアップグレードとして選んだ際に、電源ユニットもそのまま使い回せる範囲だった。
もちろん、上を見ればいくらでも性能的に上位のGPUは存在する。今後、Radeon RX 9000シリーズでも上位の製品は出てくると思うのだが、現状のRadeon RX 9070/9070 XTでもPCゲーミング環境のマジョリティ解像度であるフルHDからWQHDでは必要十分なパフォーマンスが確保されている。4K解像度でも、ゲーム次第ではネイティブ解像度でも行けるし、FSRを併用すれば重量級タイトルでも十分に遊べる。2025年における「一般的なPCゲーム環境」においては、“ちょうどいいGPU”だろう。
それだけに気になるのは、日本での価格設定と供給量だ。現時点ではパートナー企業からの発表はないが、価格設定次第ではグラフィックスカード界の“台風の目”となりうる。店頭での価格にも注目したい。
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