モンハンワイルズも案外快適? 現時点での最新エントリーGPU「GeForce RTX 5070」の実力をチェック!先行レビュー(1/3 ページ)

» 2025年03月04日 23時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 NVIDIAの新型GPU「GeForce RTX 5070」を搭載するグラフィックスカードが3月5日に発売される。想定販売価格は10万8800円からとなる。

 GeForce RTX 5070は、現状における「GeForce RTX 50シリーズ」のエントリーモデルだ。消費電力は250W、推奨電源容量は650Wと、電源容量の小さなゲーミングPCのグラフィックスカードのリプレースにピッタリな設計だ。もちろん、「性能はそこそこで構わないから、消費電力が小さい(あるいはコンパクトな)グラフィックスカードを組み込んだPCを作りたい」という人にも適している。

 その実力はいかほどのものか――NVIDIAから同社純正のグラフィックスカード「GeForce RTX 5070 Founders Edition」(日本未発売)を借りてチェックしてみた。

GeForce RTX 5070 Founders Edition 日本未発売の「GeForce RTX 5070 Founders Edition」

GeForce RTX 5070 Founders Editionの概要

 先述の通り、GeForce RTX 5070は現状におけるGeForce RTX 50シリーズのエントリーモデルに位置付けられる。SoC(System On a Chip)は「GB205」で、TSMCの4nmプロセスで製造されており、主なスペックは以下の通りだ。

  • GPUアーキテクチャ:Blackwell
  • CUDAコア:6144基
  • Tensorコア:第5世代
    • ピーク処理性能:988 AI TOPS(1秒当たり988兆回の処理が可能)
  • レイトレーシング(RT)コア:第4世代
    • ピーク処理性能:94 TFLOPS
  • 動作クロック(定格):2.16GHz〜2.51GHz
  • グラフィックスメモリ:12GB(GDDR7/192bit)
  • 最大出力解像度:4K(3840×2160ピクセル)/480Hzまたは8K(7680×4320ピクセル)/120Hz(※1)
  • 接続バス:PCI Express 5.0 x16(PCI Express 4.0互換)
  • 消費電力:250W(推奨電源容量:650W)

(※1)DSC(データ圧縮)を利用した場合

 SoCベースで見てみると、以前のレビューしたGeForce RTX 5070 Tiは「GeForce RTX 5070の上位モデル」というよりも「GeForce RTX 5080の下位モデル」という位置付けとなる。

 演算性能的にはGeForce RTX 5070の性能は5070 Tiの7割程度となる。ただ、同時にグラフィックスメモリが4GB削減されているため、グラフィックスメモリを多用するゲームタイトルやAI処理では演算性能以上にパフォーマンス差が付く可能性も否定できない。

 ただ、NVIDIAはGeForce RTX 5070は「GeForce RTX 4090並みにパフォーマンスを発揮すると主張している。これは、超解像技術「DLSS(Deep Learning Super Sampling) 4」において、GeForce RTX 50シリーズ(Blackwellアーキテクチャ)固有機能である「マルチフレーム生成」を利用した場合の話ではあるのだが、「とにかくゲームを“なめらかに”プレイしたい」という人にとって、今までのように超高価なグラフィックスカードを用意しなくても済むのはメリットかもしれない。

 先代の「GeForce RTX 4070」と比べた場合、Tensorコアにおける「FP4(4bit浮動小数点)演算」(新規対応)と、CUDAコアにおける「INT32(32bit整数)演算」ではかなり高速なものの、他の演算については5〜10%程度の性能向上にとどまっている。新世代となり2基増加した(46基→48基)RTコアの演算性能は約1.39倍となっている。グラフィックスメモリのアクセス速度は約1.3倍(毎秒504GB→毎秒672GB)だ。どのコアを使うかによって、パフォーマンスに対する印象が相当に変わりそうな予感もする。

スペック概要 GeForce RTX 5070のスペック概要
スペック比較 NVIDIAによるGeForce RTX 4070とのフレームレート/演算パフォーマンスの比較。フレームレートについては、DLSS 4でマルチフレーム生成フレーム生成を使うと2倍前後まで向上した。一方、生成AI演算(Flux.dev)については、TensorコアでFP4演算ができるようになった効果が大きく表れている

 今回レビューするGeForce RTX 5070 Founders Editionは、NVIDIA“自ら”が設計した2スロット厚のグラフィックスカードで、寸法は約112(幅)×242(奥行き)mmとなる。今までレビューしてきたGeForce RTX 5080/5090のFounders Editionよりもとてもコンパクトで、「GeForce RTX 4070 Founders Edition」と同じサイズ感だ。

 サードパーティー製のGeForce RTX 5080/5090搭載グラフィックスよりもコンパクトとはいえ、GeForce RTX 5080/5090 Founders Editionはそこそこに大きいグラフィックスカードだった。筆者の手元にGeForce RTX 5070 Founders Editionが届いたとき、思わず「うわぁ、小さい」と思わず声を挙げてしまったのは内緒だ。

 消費電力が250Wということもあり、付属するGPU補助電源の変換アダプターは「8ピン×2」という構成となっている。この点は、GeForce RTX 5070 Ti搭載グラフィックスカードと同じだ。

2連ファン GeForce RTX 5080/5090 Founders Editionと同様に、GeForce RTX 5070 Founders Editionも「Double Flow Through Thermal Design」という設計手法を採用している。カード下部にある2連ファンが……
フィン カード上部のヒートフィンに風を当てて冷却を行う。PCケース内部のパーツ配置構成によってはエアフローへの考慮が求められる
2スロット厚 先に登場したGeForce RTX 5080/5090 Founders Editionと同様の2スロット厚なのだが、ブラッケットからの“はみ出し”は極小化されているため、ケースへの収まりは良い。映像出力はDisplayPort 2.1b×3+HDMI 2.1b×1という構成だ
補助電源の変換アダプター GPU補助電源は新規格の「16ピン(12V2x6)×1」なので、旧規格の8ピン×2への変換アダプターが付属する
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