nwmシリーズの特徴となっているのが、ある音波(正相)に対し180度位相を反転させた波形(逆位相)を重ねると音が消える原理を応用した「パーソナライズドサウンドゾーン(PSZ)」技術だ。このnwm GOにも搭載されており、音漏れを効果的に防いでくれる。
適切な音量で聞いている限り、肩が触れ合う距離でも音漏れは気にならない。ただし、あくまでも適切な音量で聞いている場合だ。
耳をふさがないオープンイヤーのため、オフィスや自宅、あるいはそれほど騒がしくない飲食店などでは、周囲の音を確認しつつ音楽を楽しめる反面、交通量が多い道路や、駅のホーム、電車内などでは周囲の騒音によりイヤフォンからの音が聞こえにくい。その対応として音量を上げてしまうと、音漏れしやすくなる。
全てのオープンイヤーモデルに言えることだが、音量を上げなければ聞こえないほど周囲が騒がしい場所での利用には向いていない。そのような場所で使用するのであれば、ANC(アクティブノイズキャンセリング)対応のイヤフォンを購入した方がいいだろう。
また、nwm DOTSやnwm ONEには、NTTソノリティの特許技術「Magic Focus Voice」が搭載されている。
これは、音が2つのマイクに到達する時間差を利用して話者を特定する「ビームフォーミング」と、雑音を除去して音声だけを抽出する「スペクトルフィルター」の2つの技術を利用して、効果的に話者の声だけを伝えることができるというものだ。ただし、nwm GOにはこのMagic Focus Voiceは非搭載となる。
とはいえ、実際に自分の声を録音して確認してみたが、周囲の騒音はそこまで気にならない。そもそも周囲がうるさい場所では、先にも書いたがイヤフォンからの音を聞き取りづらいので利用は不向きだ。基本的に静かな場所で使うことになるので、その意味ではMagic Focus Voiceがなくても困ることは少ないかもしれない。
nwm GOは、スポーツやアクティブなシーンでの使用を想定したオープンイヤーイヤフォンとして、安定した装着感や防水/防じん能を備えている点が特徴だ。
耳をふさがないため周囲の音を聞きつつ音楽も楽しめるが、その反面、騒がしい環境での利用には向いていない。ただ、PSZ技術による音漏れを防いでくれる効果もあり、適切な音量で使用すれば周囲を気にせず快適に使える。
運動時の快適性を重視しつつ、普段使いも視野に入れるなら選択肢の一つとして検討する価値はあるだろう。
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