誰でも簡単に利用できて、事業成長に不可欠な経営プラットフォームになる――広沢氏は「弥生会計 Next」が目指す姿を語る。
これまでの弥生会計は、自動化による業務効率化をサポートしてきた。それに対して弥生会計 Nextでは、事業成長に資するため「経営支援による業績向上」、つまり事業そのものを成長させるサポートも行えるようになる。
とはいえ、使ってもらわないと意味がないということで、開発時に掲げたキャッチコピーが「会計・経費・請求。誰でもカンタン まとめて効率化。」だ。
「誰でもカンタン」には、以下の3つが含まれるという。
広沢氏によると、「初期設定の大変さにより脱落するユーザーは多い」という。そこで弥生会計 Nextでは、4ステップで初期設定が完了するようにした。
法人として登記(起業)する前に発生した費用がある場合、会計上固有の処理をしなければならないこともあるが、会計知識がないとどのように入力すればいいか分からないこともある。そこで対話型UIで簡単に処理できる「設立時の費用のセットアップ」機能を用意したという。
「カンタンでありつつ、会計ルールや法令に則した処理ができることが特徴で、(弥生が)特許を取得している」(広沢氏)とのことだ。
初期設定が簡単でも、使い続けられなければ意味がない。
そこで弥生会計 Nextでは、銀行口座との連携から仕訳登録までをスムーズに行える「明細ボックス」を用意している。連携した銀行口座やクレジットカードの入出金データをいったんためておき、そこから必要な会計処理を行って帳簿に登録できるという。
帳簿登録は、AIが内容から推測して自動で行えるようにもなっている。誤りがあった場合の修正も可能だ。
一般的な会計業務では、複数の帳簿や集計表を行ったり来たりして確認作業を行う。
その点、弥生会計 Nextではこのような「ドリルダウン」「ドリルアップ」をカンタンに行えるという。決算時に集計した数値の元が正しく処理されたものどうか、クリックすることで確認可能だ。
集計表から個別/具体の取引にさかのぼることもでき、逆に個別/具体の数字から集計表にも戻れる。広沢氏によると、この機能も特許取得済みだという。
弥生会計 Nextでは、帳簿や決算書を作成するといった会計業務の他、経費精算や請求業務、証憑の保存/管理も一元的に行える。
外部サービスから売上や経費の取引データなどを取得したり、金融機関/クレジットカード/電子マネーサービスと連携して利用明細や入出金明細データを取得することも可能で、これらのデータを税理士や会計事務所と共有する機能も備える。
新機能の目玉は「資金予測β版」だ。これは、直近3カ月の各種データを元に向こう3カ月間のキャッシュフローを予測/評価するという機能となる。
折れ線グラフにより現状を可視化するだけでなく、今後の資金繰りを予測して「要改善」「注意」「安全」の評価をカラーやアイコンで表示してくれる。「要注意」または「注意」レベルであると評価された場合、資金繰りを改善するのに役立つ外部サービスを案内し、次のアクションにつなげられるようにもなっている。
資金繰りについて事前に予測できるだけでなく、改善策も提示されるので「状況が悪化してから1人で悩む」といった最悪の状態になるのを避けられる。
資金予測β版では、直近3カ月のデータを元にAIが向こう3カ月のキャッシュフローを予測/評価する。なお日本ではいまだにAIへのマイナーなイメージがあることから、「UIでAIという言葉を用いていない。知らず知らずのうちにAIを使いこなしている、という形にしている」(武藤CEO)とのことだ弥生会計 Nextの利用料金は、機能によって以下の通り異なる。なお月契約と年契約を選択可能だが、月契約プランは6月から提供する予定となっている。
リリースを記念して9月30日まで開催する「スタート応援キャンペーン」では、有償プランの半額相当のAmazonギフトカードが進呈される。
なお、全ての機能(ベーシックプラスプラン相当)を最大3カ月無料で試せる「無料体験プラン」もあるので、まず無料プランで試してみると良いだろう。
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