今回、GeForce RTX 5060 Ti Python III 16GBの実力をチェックするのに使うのは、Intel(当時)が2022年末に発売した「Intel NUC 13 Extreme Kit」のCore i9-13900Kモデルだ。主なスペックは以下の通りだ。
今回は、比較対象として以下のグラフィックスカードも用意し、並行してベンチマークテストを実施した。
GeForce RTX 4060を搭載するGeForce RTX 4060 Ventus 2X BLACK 8G OCのみ定格よりも最大クロックが高い「オーバークロック」仕様で、残りはNVIDIAの定格仕様で動作する。グラフィックスドライバは、全て「バージョン575.94(β版)」でそろえて計測をしている。そのためGeForce RTX 5070/4070 Founders Editionについては、以前のテストと比べてスコアが異なる可能性がある。
今回テストしたグラフィックスカードの情報を「GPU-Z」で確認した。GeForce RTX 5060 Ti(16GB)とGeForce RTX 4060については、PCI Expressのバス幅が8レーンとなることがもたらす影響も気になる(クリックで拡大)ULの3Dグラフィックスベンチマークテストアプリ「3DMark」では、DirectX 11/12 APIを利用する主要なテストを実行した。総合スコアは以下の通りだ。
同一アーキテクチャの5070と比較してみると、一応「5070の下に5060 Tiがある」ということで「性能にあまり差はないだろう」と思っている人がいるかもしれない。しかし、実際はスコアベースで15〜30%程度の性能差が生じる。これは各種コアの数とPCI Expressバスの幅(レーン数)の差に起因すると思われる。
一方で旧アーキテクチャの4060/4070と比較してみた場合、スコアベースでは4070比では5〜13%程度性能が低い一方で、4060比では1.3〜1.6倍の高性能ということになる。今回はPCI Express 5.0バスを備えるPCでテストしていることもあってか、旧世代における1ランク上のGPUと案外いい勝負を演じつつ、1ランク下のGPUには圧勝という結果だ。
続けて、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を試してみよう。
本ゲームの場合、解像度プリセットはHD(1280×720ピクセル)/フルHD/4Kの3種類だが、今回はフルHD/4Kと、カスタム解像度としてWQHDを「最高画質」のフルスクリーン表示でテストした。本プログラムではDLSSを利用できるが、今回は「60fpsを下回る場合に有効」(標準設定の通り)としている。結果は以下の通りだ。
5060 TiはフルHDなら「非常に快適」、WQHDなら「とても快適」、4K解像度なら「快適」となった。ターゲット解像度がフルHD〜WQHDであることを考えれば、ある意味妥当な結果といえるだろう。
他のGPUとのスコア比較という観点では、同一アーキテクチャのGeForce RTX 5070と比べるとフルHDで11%、WQHDでは32%と解像度が高くなるほどスコア差が広がると思いきや、4Kでは差は8%程度に収まっている。何度かテストを回してもこの傾向に変わりはなかった。
先代アーキテクチャの4060/4070と比べた場合、結果は3DMarkとおおむね同じ傾向となった。やはりアーキテクチャの変更による効率改善は一定の効果はありそうだ。
ここ数年、ハイエンドGPUでも処理が重い「超・超重量級ゲーム」が複数登場している。その典型例が、CD PROJECT REDの「Cyberpunk 2077」だ。今回は、本タイトルのゲーム内ベンチマークテスト機能を使って各GPUにおけるDLSS機能の有効性をチェックしてみた。
テストに使ったのは、DLSS 4のマルチフレーム生成に対応した「パッチ2.21」を適用したプログラムだ。時間の都合で、今回は表示解像度を4Kに固定し、一番高負荷なプリセット「レイトレーシング:オーバードライブ」を適用した状態での平均フレームレートを比較する。結果は以下の通りとなった。
やはりマルチフレーム生成の効果はてきめんで、マルチフレーム生成を有効にすれば5060 Tiでもそこそこに滑らかな状態で楽しめる。ただ、1ランク上の5070と比べてしまうと、見劣りはする。
本筋からは外れるが、テスト中少し気になったのが4060の結果だ。フレーム生成を有効にすると、むしろフレームレートが落ちてしまう。これは明らかにグラフィックメモリの“不足”が原因だろう。逆にいうと、今回の5070はグラフィックスメモリが16GBだからこそ、オーバーレイプリセットでも“頑張れた”ともいえそうである。
参考に、GeForce RTX 5060 TiではフルHD/WQHD解像度でのテストも実施している。結果は以下の通りだ。
ターゲット解像度ではより高いパフォーマンスを発揮できている……が、オーバードライブはさすがに荷は重そうである。「レイトレーシング:ウルトラ」設定であれば、もう少しフレームレートが上がり、より快適に楽しめる。
モンハンワイルズも案外快適? 現時点での最新エントリーGPU「GeForce RTX 5070」の実力をチェック!
「GeForce RTX 5080」への乗り換えはアリ? 「GeForce RTX 3080 Ti」搭載PCで試した結果
「GeForce RTX 5070 Ti」は4K/ウルトラ設定でモンハンワイルズを快適にプレイできる? NVIDIAの新GPUを試す
NVIDIAが新型GPU「GeForce RTX 50シリーズ」を発表 新アーキテクチャ「Blackwell」でパフォーマンスを約2倍向上 モバイル向けも
モンスターハンターワイルズは快適に遊べる? 結構強いミドルレンジGPU「Radeon RX 9070/9070 XT」を試すCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.