アドビは4月24日、有料サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud(Adobe CC)」を構成するアプリ/サービスのアップデートを発表した。アプリについては最新版にアップデートすることで新機能を利用できるが、一部のβ機能は製品版と共存可能な「β版アプリ」に限り提供する。
レタッチツール「Adobe Photoshop」では、以下のアップデートが行われる。
- 「オブジェクト選択」ツールの機能改善
- 髪型/顔の特徴/服装などからオブジェクト選択が可能に
- 「背景を削除」「被写体を選択」の機能改善
- 処理をクラウドサーバで行うオプションを追加
- 処理品質を向上するために実装(要インターネット接続)
- 「カラーを調整」ツールを追加
- 画像内で一番“目立つ”色を検出し、キャンバス上で簡単に調整可能
- 「色相・彩度(補正)パネル」の機能改善
- スウォッチとスライダーを大型化することで調整しやすく
また、β版アプリでは以下のアップデートが行われる。
- 「アクション」パネルの改善
- 画像の内容に応じてAIが自動的にパネルの表示内容を変更
- パネルの内容をいちいち変更せずに済む
オブジェクト選択ツールでは、髪型/顔の特徴/服装などからオブジェクト選択を行えるようになる
「カラーを調整」ツールを使うと、画像中で目立つ色を自動的に検出し、色の調整を迅速に行える
ベクターベースのグラフィックスデザインツール「Adobe Illustrator」では、以下のアップデートが行われる。
- パフォーマンスの大きな向上
- メニュー操作の応答性を向上
- フォントナビゲーションの速度を向上
- よく使うエフェクト処理の速度向上
- 「生成塗りつぶし」機能が正式実装
- 「パターンを生成」機能が正式実装
- 「ベクターを生成」機能が正式実装
Illustratorでは直近で大規模アップデートがあったため、今回はパフォーマンスの改善が主だが、生成塗りつぶし(画像)など、いくつかの生成AI機能が正式実装された
Adobe CCを構成する他のアプリにも、以下の通りアップデートが実施される。
- InDesign(DTPツール)
- 「数式」機能の実装
- サードパーティー製ツールを使わずに、数式表記を書き込むことが可能に
- Lightroom(写真管理/現像/レタッチツール)
- 「マスク」機能の強化
- 水/植物/空/葉などに加えて「風景」を検出してマスクを掛けることが可能に
- 「クイックアクション」の強化
- Premiere Pro(動画編集ツール)
- 「生成延長」機能が正式実装
- 縦長動画にも対応
- 最大解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)から4K(3840×2160ピクセル)に引き上げ
PhotoshopとIllustratorのアップデート内容の概要
InDesign/Lightroom/Premiere Proのアップデート内容の概要
Web/モバイルアプリベースのコンテンツ作成ツール「Adobe Express」にもアップデートがある。主なアップデート内容は以下の通りだ。
- 「アニメーション」機能を強化
- PhotoshopやIllustratorで作ったデザインに弾みや動きを付けられる
- 「動画を生成」と連携可能
- 法人向けサービスでは「ブランドキット」に準拠させることも可能
- 動画作成機能の強化
- 「動画を生成」機能をβ実装
- 「自分を録画」を実装
- 「スピーチを強調」を実装
- 動画内の音声の発話要素を強調可能
- 自分を録画機能との連携も可能
- 「Vimeo」への直接公開機能を実装
Adobe Expressのアップデート内容の概要
AIを活用した機能アップデートが実装される
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