MagSafe必須体質に話が及んだので、選択肢の話をさせてください。選択肢の多さは人の多さ、選択肢のなさは人の弱さです。例えば貧困ビジネスなどは、困窮している人の選択肢のなさを利用したあくどい商売です。対戦ゲームなどでも、相手の選択肢を奪いながらこちらの自由を残すのが、主導権を握る基本的な戦略です。
過去に携帯キャリアが提供していた、携帯の2年縛りや現在もよくある家族割引も、顧客の行動を制約できる価値を知っているから大きな割引が提供できていたわけだし、Appleデバイスが「壁に囲まれた庭」と呼ばれて囲い込み気質なのと引き換えに、優れた品質と素晴らしい連携機能を提供しているのも、そのたぐいでしょう。
自分は、できれば選択肢を狭める判断や行動を避けたい、と常々思って生活しているつもりです。ところが不運なことに、PCやガジェットが好きな上にクリエイティブ分野に足を突っ込んでいると、これが全然うまくいきません。
ワコムの液タブでしか描けない、Windows+タッチ操作がないとPCが使いづらい、Photoshopでないと描けない、英語配列キーボードじゃないとうまく入力できない、などなど……。
ただでさえ選択肢が失われていることが多いので、これ以上は……となった結果、Androidを連続で使い過ぎたことが気になり始め、体質改善としてiPhone乗り換えになったわけです。
みなさんはどうですかね……。こだわりをもって趣味にいそしんだり、速度や品質がほしい仕事をしていたりすると、「頑張って散らしていく」という意識をもっていても、いろいろな選択肢が減っていく自覚があります。
それほど気に入ってないので簡単に書きますね。Apple独自のAI機能「Apple Intelligence」は、2024年後半から英語で、2025年の3月末からは日本語でも利用できるようになっています。
ざっと出来ることを挙げると、
なのですが……。ジェン文字やImage Playgroundは用途や作れるものを厳しめに絞り込んでいるので、使ってみてまあ出来るよねで終わりになり、作文ツールは語尾が一辺倒で不自然になるなど性能不足感があります。
ビジュアルインテリジェンスに至っては、現状は多少の文字認識ができる以外はGoogleとChatGPTのどちらにカメラ画像を渡すかユーザーに選ばせるだけのフロントエンドになっており、実用性はともかく、独自機能としてはかなり悲しい出来です。
将来的には、ユーザーを助けるのに役立つスマホにため込まれた情報をOS統合機能として自在に使い、スマホらしい手軽な操作でずっと使いやすくなっていくはずです。ただし、それにはプライバシーに関わる情報を端末内でたくさん処理する必要があり、SoCの処理性能やメモリ容量が大事になります。そしてiPhone 16シリーズは(対応だけならiPhone 15 Proもしているとはいえ)「Apple Intelligenceのために設計。」の初代モデルです。
初代モデルは早めに陳腐化させがちなAppleのこれまでの癖を鑑みるに、Apple Intelligenceに期待している人は、iPhone 16シリーズはスキップして17以降を待つのがより安心しやすいだろう、いずれにせよ本格的な機能はしばらく先なのだから、というのが自分の意見です。
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