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捨てたのは“赤ポッチ”だけじゃない? レノボの新フラグシップ「ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition」の実像に迫る(2/5 ページ)

» 2025年05月08日 12時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]

ThinkPadのイメージを継承するボディー

 カラーはThinkPad伝統のブラックではなく、「サンダーグレー(メタリックダークグレー)」を採用している。底部に張り出しがある独特のフォルムだが、全体的には薄型で、スリムベゼルデザインも含め、最近のThinkPadらしいイメージは継承している。

 これまでもいくつかブラックではないThinkPadは存在しているので、ボディーカラー自体はさほど違和感はない。ただし、色味はギラつきが若干強めで、ロゴの主張も強い。外観重視のユーザーを取り込むには、もう少し落ち着いた色味とロゴを採用してもよかったのではないかと思う。

正面側
天板側 ThinkPad X9シリーズはサンダーグレーを採用している。色味はギラつきが若干強みで、特に天板側のThinkPadロゴは主張が強めだ。皮脂は目立たないので、日々の清掃も楽だ

 底部の奥側が張り出しているのは、本製品のユニークな設計「エンジンハブデザイン」に理由がある。エンジンハブデザインは、SoC(System On Chip)などノートPCの主要コンポーネントを一定の幅に収め、底部を張り出させることで効率よく冷却できるようになっている。

 張り出し部分は約45mmの幅で、多数の通気口が設けられている。その上で、その左右端にコンパクトな2基のファンが対称配置されている。

 このエンジンハブデザインは、当初ファンレスシステムを目指して開発された経緯があり、高負荷時でもシステムが常に低温の状態を維持できるという。

重量 重量はCore Ultra 5構成が約1.21kg、Core Ultra 7構成が約1.27kgとなっている。今回レビューしたCore Ultra 5構成の個体は、実測で1223gだった
底部 底部の奥側にある張り出し部分が、エンジンハブの冷却機構だ。吸気口の内側から2基のファンが見える

接続性は大胆に絞り込み

 ボディーのサイズは、公称値で約311.8(幅)×212.3(奥行き)×6.7〜17.2(厚さ)mmとなっている。最薄部の「6.7mm」というのは、先端部と後端部のわずかな部分のみとなる。一方、最厚部は先述のエンジンは部デザインによるものだ。これらを除いた厚みは、実測で14mm弱となる。寸法はトリッキーだが、体感的には十分に薄型といえる。約1.21kg(Core Ultra 7構成は1.27kg)と、14型ノートPCとしては軽量にまとまっている。

 薄型な分、ポート類は最小限となっている。USB端子はThunderbolt 4(USB4)が2基だけで、それ以外はHDMI出力端子とイヤフォン/マイク端子のみとなっている。盗難防止ワイヤーを接続するためのセキュリティロックスロットも非搭載だ。ビジネス向けノートPCとしてはかなり思い切って省いている。

 Thunderbolt 4端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。Thunderbolt 3/4を含めて、ThinkPadのUSB Type-C端子は左側面に集中配備される傾向にあるが、利便性を重視する観点から本製品では左右両方に配置している。

 なお、通信機能は標準でWi-Fi 7(IEEE 802.11be)対応無線LANと、Bluetooth 5.4を装備する。

正面 正面を見ると、トップの中央付近にアレイマイクが見える。トップの中央部が張りだしているため指がかかりやすく、カバーはスムースに開けられる
背面 背面をよく見ると、ヒンジの裏側に排気口が隠れている
左側面 左側面にはHDMI出力端子とThunderbolt 4端子を備える
右側面 右側面にはThunderbolt 4端子とイヤフォン/マイク端子を備える。右側面にもUSB Type-C端子があるThinkPadは、ある意味で画期的だ

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