田中氏は“軽さ”においても軽量と頑丈の両立を目指し、他社に先駆けてマグネシウム合金のボディーを採用してきたこれまでの実績を訴求する。新モデルのSCとFCでもその方針を継承した。
一般的に、頑丈さを高めてバッテリー容量を増やすと重量が増加するのが常だ。だが、SCでは従来機のSR(約939g)から20gの軽量化を実現し、約919gという軽さを達成しつつ、MIL-STD-810H準拠の頑丈さと長時間駆動を両立させている。
そのためにインタフェースやボディー構造の最適化、シミュレーションを駆使した補強設計、さらには電池の構造までを一新するなど、多層的な手段を講じたと説明した。
「さまざまな場所が働く場所になった今だからこそ、この違いを実感していただける」(田中氏)
長時間駆動で田中氏が強調したのは、働く場所が多様化する現在のワークスタイルへの対応だ。移動中に資料を整えたり、カフェでアイデアをまとめたりと、ユーザーは時間と場所に縛られず働く。そのような中で、「バッテリー駆動時間を延ばすことは“強く強く”求められている」と田中氏は語る。新モデルでは、その要望に応えるため徹底的に長時間駆動を目指した。
まず、従来は樹脂製だったバッテリーパックカバーを、薄肉のアルミニウム素材に変更した。これにより厚み方向に余裕が生まれ、バッテリーセルをより大きくできる空間を確保できた。さらに、バッテリー固定方式も従来のラッチ方式からネジ固定に変更し、奥行き方向のスペースも拡張できた。これらの工夫により、従来のSRが搭載していた50Whから、SCでは56Whへとバッテリー容量を増やしている。
CPUも、SCではSRから2世代新しくなったCore Ultra(シリーズ2)世代を採用しただけでなく、独自機能の「Maxperformer」も引き続き導入している。Maxperformerでは、パフォーマンスが必要な作業ではフルパワーの状態が長く続くように電力制御を行い、パフォーマンスが必要ない作業では駆動電力を細かく制御して省電力化を図るようにチューニングされている。
さらに、放熱性能の要となるヒートパイプ周辺では、排気用の空間を1mm拡大し、冷却性能の安定を図ったとする。
パナソニック独自の省電力チューニング機能では、画面輝度をバッテリー駆動時に自動でAC使用時の70%に抑えるなど、使い勝手を損なわずに消費電力を削減。こういった総合的な取り組みにより、JEITAバッテリ動作測定法Ver.3.0の動画再生ベースで、従来のSRが約7時間だった駆動時間を、SCでは12.7時間へと大幅に延長した。
加えて、SCは“スキマ時間の充電”にも配慮した設計となっている。例えば、会議と会議の合間に充電優先モードをオンにして30分間充電すれば、そこから約4.6時間の駆動が可能になるとうたう。さらにPC作業中の高速充電にも対応する。
「SCは、バッテリー駆動時はとにかく長時間使える。バッテリー残量が少なくなったときはとにかく高速に充電できる。このようにチューニングすることで、現在のワークスタイルに最適な仕様になっている」(田中氏)
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