ディスプレイの性能も簡単にチェックしておきましょう。まず色域についてですが、Cintiq 16はsRGBとDCI-P3に両対応するタイプでした。OSDから呼び出すプリセットも、DCI-P3/Display P3/sRGBから選べます。
Cintiq 24はsRGBこそ余裕をもってカバーするものの、それ以上はAdobe RGBとDCI-P3の最大公約数的な両取りの仕方で、Cintiq 16よりは狭いです。プリセットもsRGBのみが選べます。
Cintiq 16は言わずもがなで、24も公式スペックは地味ながら「けっこう広色域」と言えるディスプレイです。ただし、Cintiq 16でAdobe RGBを目標にした製作を行ったり、Cintiq 24でAdobe RGBやP3系を目標に製作したりしたい場合には、プリセットで対応できないのでカラーキャリブレーターを運用するための追加の費用と知識が必要になります。
旧モデルは暗い部屋で測ればsRGBに概ね対応できているように見えたものの、実際には色が薄いという声が多かったです。本機はパネル自体の改善もさることながら、空気層を取り除いたりガラスの画面処理が最適化された分、色が抜けて見えたりする現象は減っていて、十分に美しい表示です。
2.5Kの解像度については、Cintiq 16は細かすぎもなく、荒くもない、ちょうどいい具合だと思います。Cintiq 24は正直、特に注意しなくても文字などでドット感は目につきます。顔の近くで使う画面としては「12型で720pのタブレット」と同等なので、そりゃ荒いわけです。
とはいえ、ペンを使っている間はそれほど気にならず、マンガなどよりもカラーイラストではもっと気にならなくなります。どちらも4K(3840×2160ピクセル)ディスプレイほどの気持ちよさはないですが、作業に支障があるわけでもないと思います。
さて、本機の目玉の1つはPro Pen 3対応です。Pro Pen 3の主な特徴をざっと書くと、
などです。必要に応じて過去のレビューを参照してもらうとして、Pro Pen 2を使っていて「これ以上いるんか?」みたいな気持ちだったとしても、使ってみれば確かに向上が感じられるデキだと思います。
ややトリッキーなのは、モデルによってPro Pen 3の付属品などの提供形式がばらばらなことです。本機の場合は、太軸と重心カスタマイズパーツは付属せず、専用ペンホルダーが付属します。太いペンの方が好みの人は、購入時に入手しておくのがよいでしょう。
そして、ワコム名物「最初に見落としたら一生気が付かない」かもしれない交換芯の、今回の隠し場所はこちらです。
標準芯とフェルト芯が1本ずつ入っています。添付する本数はともかく、穴ぐらいは余分に収納できるように開けておいてほしいところです。また、色の割り当てがPro Pen 2と逆なのも注意してください。
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