ワコムの新型液タブ「Cintiq 16/24」が「Cintiq Pro」キラーな気がしてならない プロ絵師がつぶやいた理由:ある日のペン・ボード・ガジェット(5/5 ページ)

» 2025年06月26日 12時00分 公開
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実際にイラストを描いてチェック!

 それでは、いつもの絵で実作業のチェックもしていきましょう。

 まずはCintiq 16から……といっても、今までの様子で自分が常用しているCintiq Pro 17と同じような描き味なのはまあまあ想像できるので、いまひとつ新鮮味がありません。そこで、Cintiq Pro 17と比べて「値段が3分の1の液タブ、値段が3分の1の液タブ……」と念じながら試用することにします。

 まずはラフや線画から。やはりPro Pen 3の描き味はよく、Cintiq Proと遜色ありません。また、先に述べた通り、縦幅が同じなため、数字上は1インチ小さいはずなのに狭く感じないのも好ましいです。解像度に差があるのも「きわめて滑らかでシャープ」vs「必要充分で軽快」 と、同じぐらいうれしいメリットがあり、どちらでもいいと感じます。

Cintiq 24 16 液タブ 液晶 ペン タブレット WACOM ワコム Pro Pen 3 スタンド 無条件の二択なら4Kを選ぶとは思います。また、最初に使う前に乾いた布でふくと摩擦が安定します。念のため

 彩色もやはり順調でした。自分はイラスト製作はsRGBの色域がほとんどなので、発色についても問題ありません。

Cintiq 24 16 液タブ 液晶 ペン タブレット WACOM ワコム Pro Pen 3 スタンド 使用感に慣れすぎていて、本当に書くことがない……

 Cintiq Proは120Hzに対応しており、測ると遅延に差は出るものの、ペン先から線先までの時間に対してすごくインパクトが大きいわけではないです。作業中の実感としてはどちらでもよく感じ、使用感に差が出るのは、Webブラウズやスクロールなどの方が大きく感じます。

 結局、「これに3倍払ったのか……ボクは……?」みたいな思いを振り払うのが大変で、みたいな感想になりました。とはいえCintiq Pro 17も実際に使っての満足感は高く、やめておけばよかったとか手放したいと思っているわけではないです。

 Cintiq 24については、大きくてのびのびと描きやすいのと、同じ画面に資料などを配置する余地があるのが利点に感じました(自分は資料やメモを貼り込んだ別ファイルを読み込んでおいてCtrl+Tabキーで見るか、常時見たいときは別の大きなディスプレイに開きっぱなしにしています)。

 ドット感については、イラスト作業中には注意を向ければざらつきはあるものの、それほど気にならず、先に書いた通り、むしろ一般用途の文字表示などで気になりやすかったです。

 発熱も問題ありませんでした。両機ともファンレスですが、デフォルトの輝度では素手でも暖かく感じることがなかったです。

 気温28度の部屋で最大輝度にして放置すると、全体的には生暖かく、画面の上の方はそれよりも暖かくなりました。ペン利用では上の方を触る時間はそれほど長くないでしょうし、その状態でもタブレット手袋をしていれば苦痛に感じることなく利用できると思います。

まとめ

 では16型からまとめていきましょう。

 Cintiq 16は、Cintiq Proのような上質なボディーとディスプレイを備え、上位機と同様のPro Pen 3を利用できる液タブです。Cintiq Proシリーズからの主なダウングレードは、タッチ非対応、Adobe RGB非対応、120Hz非対応です。解像度が4Kから2.5Kに下がる点については、画面サイズに対しては十分あり、PCの負担も軽くなり、より現実的になったとも言えます。

 総じて、「現実的なスペックと低価格になったCintiq Pro 17」、または「不満点が減った上に安くなった旧Cintiq Pro 16」といったバランスの良さです。しっかりしたモデルで入門したい人や旧Cintiq 16などからのアップグレードはもちろん、くたびれてきた旧Cintiq Pro 16のリプレースとしても、タッチ対応を重視しないユーザーならばダウングレード感がほとんどなく導入できます。

 また、スタンド内蔵/薄型/狭額縁でコンパクトにまとまっており、ACアダプターなしで運用できるため、家でガッツリ使えるスペックながら運搬も容易です。さらにモビリティーを求める人は、近い価格で13型/超薄型/超軽量になった「Movink 13」を検討してもよいでしょう。

 Cintiq 24は、大型機の魅力と、角度調整できるスタンドが付属している点、タッチ対応モデルの選択肢があるのが利点です。旧Cintiq 22ユーザーなら全面的なアップグレードになりますが、Cintiq Proの代用としてはCintiq 16ほど容易ではありません。大画面のせいで文字などのドットが目立ちやすいので、これを許容できるかが検討のカギになるでしょう。

 Cintiq 24のタッチ対応モデルは液タブうんぬんを抜きにしても、高い表示品質を備えた大型のタッチディスプレイ、という面でなかなか貴重なモデルです。価格が価格なので気軽にとはいかないですが、もしかしたら何らかの要求にぴったり合う人がいるかもしれませんね。

 

 といったところで。いやー……10万円未満でがっつり行けるCintiqが途絶えたのは残念ではありますが、低コスト志向だった先のCintiqから高品質側に振れる様子を触りながら楽しめました。特にCintiq 16は、相談された時にイージーに勧められるモデルになったと思います。Cintiq Pro 17の予算で3台買えますしね!

Cintiq 24 16 液タブ 液晶 ペン タブレット WACOM ワコム Pro Pen 3 スタンド Cintiq 16は、これからの時代の液タブのベンチマークとなるモデルになりそうな予感がプンプンと……
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